第3話
「シロ?パパってどういうことだ?まだ俺は16歳だぞ?」
『パパはパパだよ?』
「うーん、とりあえずいいか」
まあ俺が拾った時は産まれたばかりだったし、育ての親ではあるだろう。もしかしてママもいるのか?アカリには異様に懐いていたが。
「ふぅ、とりあえず、称号とかも気になるけど、スキルがあるなら試すべきだな!」
「ファッッッツク!!」
まさか、俺のスキルに目に見えてわかる様なのがないとは、なんでだよ!初級魔法でありえない威力出して、あれ?やっちゃった?的な事がしたかったんだよ!!それにシロは魔力なのに俺は闘気ってなんだよ!!
「ワァフ?」
「ふー。そうだ。シロは風魔法のスキルがあったよな?何ができるんだ?」
「クゥーン!」
「うぉあ!もしかしてこれが風魔法なのか?」
シロが生み出したのは扇風機の強くらいの強さの風だった。いや、確実に家の扇風機の強だ。ふむふむ、確かにシロは扇風機が好きだったが、それに当たってただけだぞ?!
「くっ、、負けたのか。」
『パパー?!どうしたの!?』
とにかく、ちゃんとスキルは発動するのはわかったけど、今の所チートらしきものがないんだよな、、どの力も前世で習得してたっぽいし。個人的には魔眼とかアイテムボックスとか定番のところが欲しかったんだが。。。。
むぅ、ままならんなぁ。
「確認できたし、そろそろ人がいるところを探して歩くか!」
「ウォン!」
ジントとシロは森の中を彷徨った。。
近くに街もなければ、人がいる気配すらない。知識がない今、無闇に戦闘するのもやめた方がいいと思い、避けながら歩いて二日目。。
「だぁー!!!よしやってやるやってやるぞ、ふざけんな肉だ肉食ってやるからな!!」
約二日間非常用の食料も底をつき、朝から川の水しか飲まないまま日が落ちそうになり、ジントはイラついていた。身体が世界最高レベルの水準なので維持するために食べる量も人外なジントには数少ない苦行でもあった。
「シロ、肉だ肉を食うぞ!!」
「くぅーん」
そこからは早かった。いつもより早く動けるし、体が動かしやすい。肉を取る以外にもこの体でどこまでいけるのか試したくなった。
「ふむ、異世界の影響か身体が動かしやすいし、呼吸と共に身体をめぐる力を感じるが、これが闘気なのか?前世とは少し違うが感じたことある力だな。。っ!!シロ!!」
「ウォン!」
全身を巡る力を感じつつ嬉々として森を駆けていた1人と1匹はある集団を目にする。
ふむ、近づいてみたはいいが、あれは山賊なのか?ここにきて初の人だから会話してみたいが話が通じるのかわからんな。
「なんだぁ?おめぇは何しに来やがった?」
「おお!日本語なんだな!よかったよかった!」
「オメェ何言ってやがんだ?ほう、それより見たことない格好だな」
「ああ、これか?まあそんなことより聞きたいことがあるんだが、答えてくれるか?」
ジントは集団の目がジントの持ち物を見て目の色を変えたのに気づいた。
「まあ、そうだな、答えてやらんでもないが、身ぐるみは剥がさせてもらうがな、大人しくしろよ?」
「ふむ、なら仕方ないか、I、2、3、4、5、6、7、8名か、まあ1人だけでいいか。」
そう言いながらジントは刀に手を当て構える、その瞬間、昔から憧れ、練習していたあの技が使えると思った。そうアニメでしか見れず、現実では再現不可能とされていた飛ぶ斬撃が。
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