荷物持ちなんて正義のクロノアの名が廃るぜ!→結果

紹介を終えたらすぐに、ルシファー以外の面子は仕事に向かったらしい。


それぞれの担当の地区で抗争があったんだとか。まあ、『七つの大罪』が向かえばそれもすぐに終わるだろうが、1日は帰ってこれないだろう。ちなみにルシファーが残ったのは本拠地の守護のためである。……まあ、正直こいつがいるだけでも政府側は手を出せないだろうからなあ。守護につけるのはオーバースペックな気もする。まあ、万が一に備えるのも大切なんだろう。俺も腕には自信があるが、こいつに勝てる自信ははっきり言ってゼロだ。だからこその世界最強。この男が負けることは絶対に無いだろう。そして、それを本人も自覚している。だからこその傲慢。


「うーんと。じゃあ、みんな行っちゃたし、僕は街に出かけようかな。」

「おいおい、いくらこの街が革命軍の息がかかってると言っても、創設者がそんなほいほい出歩いていいのかよ。」

「いいの。女の子には色々あるの。」

「まあ、そうだろうけどよ。」


そうして出かける準備を始めるウィルを横目にクロノアは壁にもたれかかる。そして、ルシファーは慣れた仕草で片手でタバコとライターを取り出し、おもむろに吸い始めた。


そんな光景を見てウィルはクロノアに口を出す。


「なに休憩しようとしてるの?」

「?お前は出かけるんだろ?」

「荷物持ち。」

「ルシファーに頼めよ。」

「そうしたいのはやまやまだけど。ルシファーだって仕事の最中じゃん。」


タバコを吸うのが仕事ねえ。随分といいご身分だ。そんなやつをおいて荷物持ちするなんて、正義のクロノアの名が廃るぜ!


「ああ、荷物持ちを頼める人はいないかなー。今なら組織に入れてあげることも考えるのになー。」

「イェスボス!お荷物お持ちします!」

「うむ。」


まあ、荷物持ちくらいならいいか。女性の助けを正義のクロノアは厭わないからな。他の人の手助けをしないとか最低だな!


「というか、本当に何でそんなに組織に入りたいの?」

「んー、まあここには二人しかいないから言うけどよ。一番はお前らと敵対すると終わりだからなあ。正直、お前がルシファーにGO出すだけでも割とピンチだし。あとは前も言ったが目的を果たすためにはこっちにパイプをつなげておきたいからなあ。」

「ああ、そういう。まあそうだよね。ルシファー世界最強だもんね。僕も君の立場なら一番警戒するもん。ルシファー相手に出せる最善手が時間稼ぎだもんねえ。」


全く持ってそのとおりである。このチート野郎はおそらく世界を敵にまわしても余裕だろう。


ルシファーが紫煙を吐きながら告げる。


「当然だ。」


短い一言だが、今日始めて聞いた声。言う人によっちゃあ調子に乗ってるかもしれないが、こいつに至っては事実だからどうしようもない。


ウィルがニマニマしながら口を開く。


「そうだよねえ。ルシファーだもんねえ。」

「ほら惚気けてないで行くぞ。」

「惚気けてないですー。」


ブーブー言うウィルを連れて部屋を後にする。正直こいつらと敵対するのは避けたい。そんな思いを胸に創設者と共に街へ繰り出すクロノアだった。




スペースについて補足

スペースの名前を口にし、発動することを開放といい。大抵の場合開放してから戦う。また、スペースによっては発動条件を満たさなければ発動できないものもある。

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