『七つの大罪』ゆっくり解説チャンネル
「皆さんこんにちは。ゆっくりクロノアだぜ。
ゆっくりウィルです(裏声)
突然だがウィル?『七つの大罪』について知ってるかぜ?
え?なにそれ?クロノアは知ってるの?(裏声)
当たり前だぜ……」
「突然ゆっくり解説を始めるなああ!」
突然始まった謎の解説?にウィルをウィルは叫びでかき消す。正直言って聞くに絶えなかった……
「なぜ急に始めたのか意味わからないし!いちいち裏声で僕の声表現しようとしてくるし!」
「なんだよ。文句が多いなあ。」
「多くないけど!?」
「まあいいや解説続けよ。このなんにも考えてなさそうなのが怠惰のベルフェゴール・アチェディア。俺はぼーちゃんって呼んでる。」
「クレ◯ンし◯ちゃん懐かしすぎる。」
1人感銘を受けている僕っ娘がいる。きっとおそらく自身の子供の頃を思い出しているのだろう。こんな見た目だが、一応組織のトップで何十年も生きているからな。組織を立ち上げてからじゃ、他のことする暇もあまりなかっただろうし…
そして今説明を受けたぼーちゃんことベルフェゴールは、ボサボサの黒髪に虚無な黒い目。本当に何も考え得てなさそうで、顔は整っているのにどこか不気味さを感じさせる。その腕はだらしなく垂れ下がっており、天井を見上げてぼーっとしている。
「正直こいつは特に説明するとこないな!次!」
「いや、雑すぎ!最後まで解説しろよ!というかひどくない!?色々あるよ。ベルフェゴールのいいところでしょ。例えば、植物を育てるのが好きだし、あと着替えるスピードがすっごく早いんだよ。他にも……」
「そんでこっちが……」
「無視しないで!?」
ウィルを無視して話を強引に進めるクロノア。ウィルは涙目である。
「暴食のベルゼブブ・グラ。愛称はビル。こいつはパティシエで店も持ってたが、政府に店を潰された怒りのまま最高幹部にまで上り詰めたおもしろいやつだ。そしてちゃんと……
「ちゃんと飲み込んでから喋りなよ。」
「ぐほッ。」
「え、あ、だ、大丈夫!?ほら、水あるから!」
クッキーを口に詰め込みながら喋ったせいで、喉につまらせたらしくむせ返るクロノア。それを心配し、水を差し出すウィル。やり取りは母子のそれだが、現実はいい年の男が中学生の見た目の少女に世話を焼かれているという、なんとも残念な光景である。
「ふう、助かったぜ。」
「ほんと気をつけなよ。」
「お礼にいいこと教えてやるよ。ベルゼブブの店は政府に潰されたわけじゃなくて、普通に経営ミスって借金で潰れたんだが、それを政府の陰謀ってことにしてるだけなんだぜ。」
「流石にそれは嘘でしょ、僕にだってそれくらいわか……」
「お前、なんで知ってるんだよ。」
ウィルが言い切る前にベルゼブブが口を挟む。
ベルゼブブはくすんだ灰色の髪に濃い黒色の瞳の童顔気質の青年であり、いかにも爽やかな青年である。髪型も人好きされるような軽い感じで、きっちり揃えられてるわけではなく、どちらかといえばボサボサだが、手入れを抜いていたり、不潔といった印象は受けない。その顔が驚きに染まっていた。唖然とした表情のままベルゼブブは
口を開く。
「…俺、まだ誰にも言ったことなかったのに……」
「……ねえ、嘘でしょ?ビル?嘘って言って!」
「………。」
「ヒーヒーハハハハ。ちょ、待て。面白すぎる。ククククク。」
眼をそらすベルゼブブ。驚愕の表情を浮かべるウィル。それを見て爆笑するクロノア。
「ねえ本当に嘘なの!?組織に入る時に言ってた、人の夢を奪う世界を変えたい。って言ったのは嘘だったの!?」
「い、いやあ。まあ、嘘じゃないこともないこともないかもしれないけど……あっそういえば、ケーキのスポンジを寝かせてたんだよなあ。そろそろ時間だから取りに行かないとなあ。じゃ、俺はこれで。」
「え、あっ、ちょっ。」
棒読みで一方的に告げた後、ベルゼブブはウィルの言葉も待たずに颯爽と部屋を後にした。口を開けてその背中を見送るウィルに一通り笑ったクロノアが声を掛ける。
「ヒヒヒヒヒ。はあー笑った笑った。で、どうよ驚きの真実を知った気分は?」
「あんまり知りたくなかった。」
「ま、人生そういうこともあるさ。」
「君が引き起こしたんだけどね!?というか、僕のほうが長く生きてるから!」
「落ち着けチビっ子。」
「次言ったら殺す。」
「お、おう。なんかすまんな。」
ウィルの地雷を盛大に踏み抜いたクロノアに声を二段階くらい低くしてウィルが脅す。流石のクロノアもたじろく。
怖あ、女子のガチトーン怖あ。
内心恐々するクロノアであった。
情勢解説
概要 現在は基本的に革命軍である『新しい時代』と政府組織である『正しい世界』による第三次世界大戦が勃発しており世間はかなり不安定。50年前から世界はかなり荒れて、富裕層と貧困層の格差と貧困層の拡大によって、娼館やスラム街などが多く、そういった環境に身を置かざるおえない人も多数いる。
また、実際にはその他にも有力勢力があり、スペースを持って人々を導き、世界を変えようとする少数組織『七人の英雄』、金を払えば大抵のことはする少数組織『
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