第8話 痛み
実は元彼氏にあった日の夜、
家に帰ると早々に思い切り拳で殴られた。
想像以上に痛かった。
「思い当たるところある?」
「……」
「たまたま見ちゃったんだよね。ホテルから出てくる所。」
「……」
「ごめん。」
「誰?あの人。」
「高校の時付き合ってたやつ。」
「したの?」
「した。」
「最低…」
「本当にごめん。」
「……」
翔は僕の胸ぐらを掴んで睨みつけていた。
僕はたまらなくてキスした。
「お願い…僕を捨てないで。」
「ごめん。…こっち来いよ。」
――――――――――――――――――。
「凌太、次やったら別れるから。」
「本当にごめん。」
「……僕の凌太なんだから。」
「わかった。」
―――――――――――――翌朝。
「凌太、ごめん。」
「ん?」
「本気でやっちゃったみたい。」
翔が少し微笑みながら殴った所を指で押してきた。
「痛ててて…。」
「嬉しい?」
「痛い…」
「覚えといて?僕の心はもっと痛いんだから。きっと一生治らないよ」
「ごめん」
「許さない。だからずっと僕を見てて。僕だけ見てて。いい?」
「わかった。約束する。」
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