第7話 元彼氏
いつもの朝。
いつもの通勤。いつもの駅で先に翔が降りる。
いつもより少し混んでいて、僕の真後ろに立っている人が妙に少しくっついて来ている気がしていた。
そして最後の駅になる前に、後ろを振り向くと…
「お前、大丈夫か?」と声をかけられた。
僕はそのまま揺れに任せて体を寄せた。
「…お前今日仕事か?」
「うん。」
「休め。」
こいつは昔もそうだった。
僕が高校入ってすぐに出来た彼氏だ。
一年くらい付き合って別れた。
理由はコレ。
でも今の僕は冷静ではなくなっていた。
駅を降りて、コイツに手を引かれるまま駅前のホテルへ。
「凌太、電話入れとけよ。」
「うん。」
…言いなりだ。
「……。」
電話を終えると、抱き寄せられて頭を撫でられた。
こいつはズルい。昔から僕の弱みにつけ込む。
…いや。本当は、手に取るように変化に気づく。
「凌太。泣いていいんだぞ。我慢すんなよ、今くらい。」
僕は元彼氏の腕の中で大声で泣いて、泣いて、泣いて、泣いた。
そして…僕からキスすると、時間をかけて甘さと苦さで満たしてくれた。
―――――――――――――――――――――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます