第18話 作戦会議


 やってきた3人の獣人を俺の家にある会議室に連れてきて、飲み物を渡し落ち着くまで待つことにした。


「申し訳ありません。私はニアと申します」


 黒色の髪を左のサイドテールにして、金色の目をした美少女の猫の獣人が自己紹介をする。


「はいっはいっ!!次はワタシね!

 ワタシはリルだよ!」


 白色の髪を右のサイドテールにして、赤色の目をした美少女の犬の獣人が、ニアに続いて自己紹介をする。


「次はアタシね。

 クシナよ、よろしく」


 金色の髪をツインテールにして、銀色の目をした美少女の狐の獣人が、リルに続いて自己紹介をする。


「俺は知ってるだろうが、ミロクだ。

 後ろの4人は俺の側近の黄泉、カグツチ、スクナ、イザナだ」


 俺が紹介すると、4人とも僅かに頭を下げた。


「それで本題だが、獣人が侵攻して来るとはどういうことだ?」


 俺が本題を聞くと、3人は慌てたような顔でニアが代表で話し始めた。


「そ、そうなんです!

 レオンが突然みんなを集めてこの村に侵攻すると言い出して。

 最初はみんな反対していたんですけど、なにかのスキルを使ったのか、みんなが急変して、村に侵攻することに同意し始めたんです!」


 ニアの言葉を聞いた俺は、イザナを見た。


「イザナ」

「分かりました、ミロク様。

 怠惰アスタロト……っ!?

 ミロク様!!レオンは獣人50人とあの時のオーガのような禍々しいオーラを纏う魔物を率いてこちらに向かっています!

 その数、約4万!」


 イザナが、禁忌能力カプスキル怠惰アスタロトで、獣人達の居る場所を視認したのか、正確な敵の人数を伝えてくれた。


「マジか…こっちは105人しか居ねぇぞ」


 俺は少し頭を抱える。


「あ、あの…私達に出来ることはありますか?」


 ニアの言葉を疑う俺だったが、ニア達の目を見ると、その目に宿る怒りと申し訳なさを見た俺は信頼する事にした。


「じゃあニア達にも協力してもらう。

 ニア達は獣人の中ではどのくらい強いんだ?」

「はいっ!ワタシ達は獣人の中でもトップ3なんだよ!」


 俺がそう聞くと、リルが即答して教えてくれた。


「なるほど。

 じゃあ、獣人達の相手を任してもいいか?

 他の4万程の魔物はこちらで対処する」

「…分かりました」


 俺の言葉に不安や心配の視線を向けるニア達だが、信じてくれたのか頷いてくれた。


「よしっ、それじゃあそれぞれ準備を最短で済ませ!

 この村を守るぞ」


 俺の言葉に頷くとニア達も黄泉達もそれぞれの準備をする為に会議室を出ていった。


「イズ、お前はこの状況をどう見る」


 俺は、少し変だが、頼りになる最高の相棒に尋ねる。


《そうですね…裏で何者かが手を引いているのかと》

「…確かに、自我を持たない魔物が獣人に手をかすとも思えないしな」


 俺は、イズにそう返事をすると同時にあの時のオーガを思い出す。


「怨念の集合体のオーガ。

 …まさか、あいつには自我があったのか?」

《…なるほど、確かにそうですね。

 怨念とは人々の負の感情が集まり、時間をかけて混ざりあった悪意の集合体ですから。

 あの時のオーガに、その悪意の持ち主が宿っていてもおかしくありません》


 イズの言葉を聞いた俺は、自我を持つ魔物が居る可能性を頭に入れて、準備を済ませて侵攻に備えることにした。



 俺達が準備を済ませてから3時間後




「来たぞ。

 みんな、気を引き締めろよ」


 俺はみんなに聞こえるように大きな声で伝えた。


「…見えたぞ愚かな竜の村。

 貴様ら、あの愚かな竜は我々の領地であるこの森に勝手に住み着いた!

 その為、粛清を開始する。

 奴らを蹂躙しろ!」


 レオンの目が怪しく紫色に光るのが見えると、獣人と魔物達がこちらに向かって走ってきた。


「俺達の村を守ろう…行くぞ!!」


 俺と共に黄泉率いる竜鬼近衛団、カグツチが率いる焔鬼軍、スクナ率いる護衛小隊、イザナ率いる天蓋魔鬼は、それぞれ1万の魔物を受け持ち、リル達3人の獣人は、50人の獣人の相手をするために、走り出した。

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