第10話 鬼の変化(カグツチの場合)
カグツチ視点
俺は目の前に存在する竜の圧倒的な存在感に押しつぶされるような感覚を持っていた。
怖い…絶対に勝てない。
そう思う存在に初めて出会い、俺の頭は真っ白になっていた。
そんな竜がこちらを見つめた。
バレた、俺達が居ることがバレた。
どうしたらいい?どうするのが正解だ?
今出たら殺される。
いや、出なくても殺される。
ならば、姿を現して誤解を解くべきか…
俺はそう思い隠れていた草木から姿を現す。
草木から出て、竜と話すこと数分、俺は大きな誤解をしていたようだ。
竜であるミロクさんは、心優しく怖い方ではなかった。
ミロクさんと話し、この場所に村を作り、一緒に住む事になった。
その為、俺達は集落に一度戻り父親である村長を説得することにした。
ミロクさんの力の恐ろしさ、それとは真逆とも言える心優しい人格。
それらを熱心に伝えると、親父は俺の言葉を信用して、共に住む事を承諾してくれた。
準備を終えた俺達が森を歩いていると、突然禍々しいオーラを纏うオーガが現れた。
俺はそのオーガを見た瞬間、スキルを発動して、現れた炎を刀に纏わせて斬り掛かる。
「
俺は、蒼色の焔を刀に纏わせてそれを振るうと、一直線上に蒼色の焔が道を作るかの如く真っ直ぐ伸びていった。
しかし、俺の攻撃はオーガにはほとんど効いておらず、逆に俺は殴り飛ばされた。
「ごはっ!?」
俺はあまりの激痛で動く事が出来ずにいた。
その間にも他の鬼がスキルを使った攻撃をして、反撃されて吹き飛ぶ光景を見続けた。
頼む誰か…俺を俺達鬼を助けてくれ。
このままじゃ、あの忌まわしきオーガに殺し尽くされてしまう。
俺が目の前の光景に絶望しながら、居るかも分からない誰かに助けを求めた。
それが届いたのか、俺達の眼前にまで迫っていたオーガの腕を斬り落として、俺達の目の前に着地した、黒髪に赤色の目をした女の子のように可愛い少年が俺達を見る。
「大丈夫か?」
その声で理解した。
あの少年は今から会いに行こうとしていたミロクさんなのだと。
ミロクさんが現れてからは早かった。
一瞬でオーガに近づき、横に一閃すると、オーガの太い首を斬り落とし、死んだオーガに何らかのスキルを使って、オーガから放出された禍々しいオーラを浄化したのか、天へと返していた。
俺はそんなミロクさんの姿に見惚れてしまった。
そして、彼の力に憧れた。
それが理由で、俺は彼に…ミロク様に忠誠を誓い、配下としてミロク様の力になると決意したんだ。
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