2章 鬼と竜の村づくり

第5話 鬼との出会い


 イズの案内で、休める場所に辿り着いた俺は、強欲マモンの力で簡易的な家を作り、休んで居た。


《…マスター》

「わかってる」


 俺はイズの言葉に頷いて、視線を正面の森に向ける。


「気配を消していたのに気づくのか。

 凄まじいな」


 そう言いながら現れたのは、額から角を生やした鬼達だった。


「…なんの用だ?」


 俺は、目の前に現れた4人の鬼達を警戒しながら尋ねた。


「まずは、突然現れた事を謝罪する。

 俺は、カグツチという者だ」


 カグツチは、隣の男を見つめる。


「あぁ、アタシの番ね?

 アタシはスクナよ、よろしくね竜ちゃん」


 スクナは、俺に手を振ってから、隣の女の子を見る。


「私は黄泉」


 黄泉はそれだけ言って、隣の女の子を見る。


「あ、あはは…私はイザナです。

 よろしくです」


 イザナは、黄泉を見て苦笑いを浮かべた後、頭を下げながら自己紹介をした。


「俺はミロクだ。

 見た限りお前らは鬼だと思うが、どうしたんだ?」


 俺がカグツチ達に要件を聞くと、カグツチは覚悟を決めたのか俺の目を見て話し始めた。


「俺達は、この森の先にある草原に集落を持つ鬼なんだが、この森を見つけ、調査と開拓をして住みやすいと分かれば移住する計画を立てていたんだ。

 そして、その為の調査をしていたらあんたを見つけたんだ」


 俺は、カグツチの言葉に納得すると同時に、敵意を感じない彼らに1つの提案をする事にした。


「良ければ俺と一緒に暮らさないか?」


 俺がそう聞くと、カグツチ達は4人で相談を始めた。


 4人が話し合うこと数分。

 答えが決まったのか、俺を見つめるカグツチが口を開く。


「了解した。あなたと共に住むことにしよう」


 カグツチがそう言うと、集落に残った者達を連れてくる為に1度集落に戻るようで、頭を下げてから森から出ていった。

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