第3話 力の検証
眠りから目を覚ました俺は、少しは落ち着いたのかイズと共に俺が持つ力を調べることにした。
「まずは人の姿になってみるか」
俺がそう言うが、どうやるのか分からず、頭を傾ける。
「出来ねぇ…」
《マスター、私がサポートします》
イズの言葉に感謝しながら、もう一度人の姿になろうとする。
今回はイズのサポートもあり、俺の身体が光り、徐々に小さくなり、卵の殻を破るように光が霧散すると、そこから赤色の目で黒色の髪を肩まで伸ばしたカワイイ系のイケメンが現れた。額や腰から角や尻尾も生えていた。
身長は、154センチ程だと思う。
「ふむ、前世の面影はないな」
《お可愛いですよ?》
俺は、湖で反射する俺の顔を見ながらイズの言葉に苦笑いを浮かべる。
《次はスキルの検証に移りましょう》
イズの言葉に頷き、俺はまず
すると、脳内に拳と足で戦う数多の戦術や型が流れてきて、不思議と誰よりも上手く戦える自信が湧いてきた。
「…こんな感じか?」
俺は、頭に流れた型を再現するように、3度拳を振るい、最後に跳んで回転蹴りをして、地面に着地する。
「どうだろ、動けてた?」
《えぇ、達人と言っても疑う人は居ません》
イズの判断も聞き、スキルのヤバさを改めて実感した。
「じゃあ、次は
俺は
その剣を掴むと、先程と同じように数多の剣術の型が頭に流れてきた。
「
《そうですね。
次は
俺はイズの言葉に、少し考えてから答える。
「怒りの感情とか無いから、怒りの感情が出てきた時でいいや」
《了。それでは、最後の
俺はイズの言葉に頷き、
すると、対象を設定していなかったからか、俺が対象となり、俺が反転した。
水面に目を向ければ、そこにいた黒い竜は姿を消し、白色の鱗に金色の鱗が僅かに生えた二足歩行の人間のような竜が居た。
さらに、目の前にステータスが現れ、スキルも変化していた。
__________________
個体名〖ミロク〗
種族〖竜種〗
スキル
〖
スキル説明〖この世に存在する現象、
〖
スキル説明〖聖なる力とされる7つの"美徳"が具現化した7つのスキルの1つ。
自身の持つ正義を行使する時限定で、物理、魔法、あらゆる攻撃を無効化する。〗
〖
スキル説明〖聖なる力とされる7つの美徳が具現化した7つのスキルの1つ。
スキル所有者に一時的にいくつかの制限をかける。
その制限の数が多い程、スキル所有者の身体能力を上げる。〗
〖
スキル説明〖聖なる力とされる7つの美徳が具現化した7つのスキルの1つ。
スキル所有者が思い描いた未来にすることが出来る。
ただし、このスキルを使用する際、ランダムでスキル所有者の五感の1つが1週間程、使う事が出来なくなる。〗
___________________
「いやいや…元の姿だけでもいっぱいいっぱいなのに、増えるとか無理!」
《…凄まじい力ですね》
俺はイズの言葉を聞いて、ある案を思いつく。
「イズって俺の事どう思ってるの?素直に本音で答えて」
《信仰するべき神であり、愛すべき男性であり、忠誠を捧げるべき主です》
俺の言葉に即答で答えたイズに、多少引いてしまうが、嘘は無いと勘で思った俺は、イズに考え出した俺の案を話す。
「俺だけじゃこの…そうだな、反転体と呼ぼうか。
この反転体の力まで使いこなす事は難しい。
だから、この反転体の時はイズに身体の主導権を渡すから、俺は普段の姿、イズはこの反転体を動かすって事にしないか?」
《…それは、光栄であり最大の喜びですが、よろしいのですか?》
イズの言葉に俺は頷き、主導権を普段は俺に、反転体の時はイズに設定する。
それと同時に、俺の意識は精神世界に移され、イズの意識が俺の肉体に宿る。
「…最大の喜びです」
《大袈裟だよ。じゃあ最後に人の姿になってスキルの検証をしようか》
俺は、イズの言葉にそう返す。
「了」
イズは短くそう呟くと、身体を光に包み、徐々に小さくなり、卵のようになったその光は殻が割れるように霧散する。
そしてその光が霧散すると、金色の目で、白色の髪をポニーテールにした美少女が現れた。
身長は137センチ程で、胸のサイズはAサイズのようだ。
「…身体の主導権を持つ者の性別に肉体も変わるようですね」
イズは男から女に変わった肉体に対する見解を言う。
《そうだな。
それじゃあ、新しいスキルを使ってみてくれ》
俺の言葉に頷くイズは、目を瞑る。
「…申し訳ありません。
他のスキルも敵の居ない今は検証が出来ないため、使用しないと判断しました」
イズの言葉に、納得した俺は、イズと身体の主導権を切りかえた。
それにより、反転体だった俺の身体は元の黒色の状態に戻った。
「さて、とりあえず俺については分かったから、ここが何処なのか、外には出れるのかを調べるか」
俺はそう呟き、歩を進めた。
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