案件25.廃棄食品消失事件
カネリとボンゴラが厨房に入ると、男性店員が驚いた様子でいた。
「何かあったんですか!?」
「めっ目の前で、突然消えたんです!」
「捨てる予定の食材がっ!!!」
「・・・へ?」
4月25日18時32分、牛肉料理専門店
第一発見者は
料理の仕込みを終えた後、客に提供できない食材をまとめて廃棄しようとした瞬間、目の前でパッと消えてしまったのだ。
「つか、叫ぶほどのことじゃねえだろ!」
「すみません、突然のことでつい・・・」
「目の前でいきなり消えたってことは、
「つまり、
「いやぁそれはどうだろう?」
「でもいらねえ食いモンが勝手に消えるならさ、別にいいんじゃねえか?」
「良いわけないだろ!大問題だ!!」
カネリとボンゴラの前に、気が強そうな女性が現れた。
髪と瞳は青色で前髪を中央に分け、白を基調とし襟や肩が赤い軍服のような服を着ている。
「廃棄食品も店や企業の所有物、それを無断で食べたり持ち帰ったりすることは、れっきとした犯罪!正義に反する行いだ!!」
「なんだお前!?」
「その制服・・・
「あ~セイミョーキカンか!ってナニ?」
カネリの紛らわしい反応に、
「
「そしてアタシはその新人、
「・・・ご説明ありがとうございます」
「なんかアタマ固そうだな」
「とにかく、お前たちのようなバカにこの案件は任せられん、引っ込んでろ!」
「何だと!?エラそうに言うな!」
「カネリ、ちょっと落ち着こう」
「リンドーもだよ」
「モズ先輩・・・」
リンドーの背後から彼女と同じ服装の青年が現れた。オレンジっぽい褐色の癖っ毛で、物腰柔らかな印象だ。
「僕は
「ああいえ、全然大丈夫です」
「もしよければ、僕達と協力しませんか?仲間たちは他の案件を受けてて、僕と彼女しかいないんです」
「わかりました、よろしくお願いします!」
「モズ先輩、隊長の許可が必要では!?」
「僕に任せるって言ったから、きっと大丈夫だよ」
「今警戒すべき相手は
「それに彼らは
「・・・足を引っ張ったら許さないからな!」
「お前の足なんか引っ張るか!」
カネリがベーっと舌を出した時、ボンゴラはハッとあることに気がついた。
「すみません、すぐ戻ります!」
ボンゴラはマナキを置き去りにしたことを思い出し、客席に戻って彼女に事情を説明した。
「―ということがあったんだ、待たせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ」
「わたしもそろそろ行かないといけないから、お互いがんばろうね」
「うん、またね」
23時19分、ボンゴラたちは事件の捜査に一区切りをつけ、これまで得た情報を整理すべく
「悪いねボンゴラ君、捜査に協力してもらった上お邪魔までして」
「お気になさらず、どうぞ上がって下さい」
モズロウは事務所のホワイトボードを借り地図を貼り付け、あちこちに目印をつけていった。
「へ~、こんなにたくさん盗まれたのか」
「直径約20km内にある33件で、廃棄予定の食品が消えた。被害総額はおよそ80万イェン」
「飲食店やスーパーだけじゃなく、食品加工工場や農家まで・・・」
「ほとんどは賞味期限切れだったり、形が悪いなどの理由で捨てる予定のものだった」
「逆に商品として提供できるもの、食べかけや腐りかけが消えたという情報はなかった」
「犯人は、まだ食べられる廃棄食品だけを狙っているのは間違いなさそうだね」
「う~ん、ゲキアツ悪いヤツに思えねえなあ・・・」
「正義に反する行いだと言ってるだろ!」
「でもお金を盗まれたり、怪我人が出たとは聞いてませんね」
「最初の犯行は11時32分に
「被害があった場所同士の距離は大体数キロ、30分で33件の犯行に及んだとなると、犯人は目にも留まらないスピードで、長距離移動ができるってことでしょうか?」
「さらに物体を異空間に収納、または別の場所へ転送する異能が使えるかもしれないね」
「どの現場でも同じ
「フムフムなるほど・・・つまり犯人はゲキアツ速いのか!」
「お前、話を理解してないだろ」
ドヤ顔で納得するカネリに対し、リンドーが鋭いツッコミを入れた。
「問題は、長距離を素早く移動できる
(今まではアゼルの頭脳とスピードで、対応できたけど・・・)
「奴が潜伏している場所さえわかれば・・・」
「それについて一つ、目星がついているんだ」
そう言ってモズロウは、地図に新たな目印をつけた。
彼が目をつけた場所とは一体・・・?
To be next case
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