案件12.聖女との約束
リチャウターは、カネリファイヤがシャドスターの手に落ち、周りが炎に囲まれ窮地に立たされていた。
「マンジロウさん、やめて下さい!あなたは聖女様にお礼を言いたいだけでしょう!!
「うるさい!お前達が邪魔するからだ!聖女様に会わせろぉ!!」
カネリファイヤがリチャウターに襲いかかろうとしたその時、彼女の動きが急に止まり小刻みに震え出した。
「上手く・・・操れない!?」
「オレ様のゲキアツパワーを、ナメるなよぉ・・・!!」
(カネリが身体の自由を取り戻した!?でもどうして今―)
カネリファイヤの足元に目をやると、彼女の影は周りの炎に照らされてぼやけていた。
(そうか、影が薄くなったから支配が弱まったんだ!)
闇に囚われ理性を失ったシャドスターは、こんな些細なミスに気付けなかったのだ。
「オレの影から、出ていきやがれえええ!!!」
カネリファイヤが身体を激しく動かせるようになり、その勢いでシャドスターを影から追い出した。
リチャウターはそれを待っていたかのように構え、両手が光り輝くオーラに包まれていた。
「マンジロウさん、この手であなたを救ってみせる!」
『
リチャウターの両手から、螺旋状に回転しながら光輝くエネルギーが放たれ、シャドスターをのみこんだ。
「あああああ!!!」
シャドスターは激しい光の渦の中で、闇のエネルギーを削ぎ落とされて肉体が崩壊し、マンジロウの姿に戻っていった。
シャドスターの無力化が完了すると、光の渦は弾けように飛び散り、その衝撃で周りの炎を消し飛ばした。
闇のオーラから解放されたマンジロウは、安らかな顔で意識を失っていた。
「ナイスボンゴラ!」
「カネリもお疲れ」
こうして、
翌日、ホテルを襲った
ホテルも一部損壊したが、
そして
「判決の結果、僕の刑は【
「チョーキュー?」
「三万点分の人助けをする罰が課されたのだ」
「マンジロウさん、あなたならきっと罪を償えます」
「僕のせいでごめんね、そしてありがとう」
「それと、おれと聖女様の関係ですが・・・」
「わかってるよ」
「僕も聖女様と同棲する妄想をしてた時期があったんだ。誰にも言わないよ」
「そ、そうでしたか・・・ハハハ」
ボンゴラが聖女マナキと幼馴染である事実を、真に受けていないようだ。
「聖女に会ったら、お前の代わりにありがとって言ってやるよ」
「ありがとう、運良く会えたらよろしくね」
「その必要はありません」
「だってわたしがここにいるから」
何と面会室に、マナキと護衛二人が現れた。
「マ、聖女様!?」
「どうしてここに!?」
「マンジロウさん、二年前の祈祷ライブからずっとわたしに会いに来てくれたよね」
「覚えていてくれたんですか!?」
「聖女ですから、ファンのことはみんな覚えてるよ」
「でも、わたしやみんなの迷惑にならないよう、ちゃんと応援しなきゃダメだよ!」
「それでわたしのファンが無実の罪を着せられたり、悪い人に利用されたりするの、わたしとっても悲しいから・・・」
マナキは今にも泣き出しそうな、悲しい表情を見せた。
「聖女様・・・今まで、すみませんでしたっ!これからは心を入れ替え、ルールを守り応援します!!」
「そして、引きこもりだった僕が外に出られたのは、あなたのおかげです!本当に、ありがとうございました!!」
マンジロウは猛省し、凄まじい勢いで頭を下げた。
「どういたしまして、これからもよろしくね」
「はいっっっ!!!」
こうしてマンジロウは自身の目的を果たし、贖罪に全力を尽くすことを誓った。
その後
「みんなお疲れ様、今回の案件はわたしが採点するね!」
「いよっ、待ってました!」
「まず襲撃事件の真犯人を逮捕し、マンジロウさんの無実を証明したことで、三人にそれぞれ1000点をあげます」
「よぉし!」
(救世主を目指す上で、聖女の信頼を得られたのは非常に
「そしてMVPはわたしの狙撃を阻止し、たった一人でタカモクレンを撃破したアゼルさんと、わたしたち三人の避難を促し、暴走するマンジロウさんを救ったボンゴラくんです!二人にそれぞれ500点追加します!」
「
「随分差がついてしまったな、カネリ」
「まだ始まったばかりだろうが!」
「ただしカネリさんは、約束を破ったため700点減点です!」
「・・・ハ!?減点!?約束ってナニ!?」
「カネリさん、わたしとボンゴラくんの関係をヒミツにするって約束したよね?
「え・・・あ、言って・・・ました」
「なのにあなたは、どうしてマンジロウさんに喋ったの?」
「それは・・・アイツが影に潜るから捕まえるの大変で、お前を狙ってたからオレ達に注意がいくようにしたっていうか・・・」
「そうだったの、でも約束は約束です!減点!!」
「ちょっと待てマナキ!マンジロウは話信じてなかったから結果オーライだろ!?」
マナキはフンと、少し怒った顔でそっぽを向いた。
「ごめんなさい聖女様!もう二度としません、許して下さい!」
「ボンゴラ頼む何とか言ってくれ!幼馴染なんだろ!?」
「次は気をつけようね」
「自業自得だ脳筋雌ゴリラ」
駄々をこねるカネリをアゼルとイザベロが制止している間、マナキはボンゴラの手を握った。
「マナキちゃん!?」
「わたしが聖女になってマフラーをあげた時の約束、忘れないでね」
「もちろん、おれが信じるままに、この手でみんなを救ってみせる」
「そうすればきっと、あなたは救世主になれる。わたしはずっと待ってるから」
ボンゴラは聖女マナキとの再会で、救世主を目指す理由と進むべき道を改めて認識した。
その一方で世間は、『
『スコア早見表』
スコア100億点以上で救世主になれる!
To be next case
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