案件6.この手で救ってみせる
事件の黒幕アノニナゴを追い詰めた
何故なら、依頼人ククリを人質に取られてしまったからだ。
「テメェ…!」
カネリファイヤが、顔に血管を浮かべながらアノニナゴをにらみつける。
その時、ククリがかすかに意識を取り戻した。
「
「わたしに構わず・・・アノニナゴを倒して下さい・・・!!」
「黙れこのガキ!」
「・・・それは出来ません」
「言ったはずです、必ずあなたをこの手で救ってみせると」
どんな困難が襲いかかろうとも、決して人助けを諦めない。
それが
「キレイごとをほざいても―」
その時、
アノニナゴは本物に気づき後ろを振り向くが、そのスキにリチャウターが腕を長く伸ばした。
『
『
ククリの腹部に当てたリチャウターの手が、光り輝く波動を放った。
波動はククリの身体を通り抜け、アノニナゴの身体から勢いよく噴き出しダメージを与えた。
「バっ、バカなっ・・・!」
アノニナゴはよろめいてククリを手放し、リチャウターがすぐさま彼女を抱きかかえその場から離れた。
「これで遠慮なくテメェをぶん殴れるぜ!」
カネリファイヤの右拳が炎に包まれ燃え盛り、アノニナゴに殴りかかる。
『バーニングストレート!!!』
「ぐわああああ!!!」
燃え上がる拳がボディにめり込んだ瞬間、アノニナゴの身体は炎上し爆発した。
その後アノニナゴこと、
操られた人々は元の姿に戻り、自ら進んで強盗に加担したり、命を脅され仕方なく協力するなど事情は様々だが、それぞれに相応しい罰が与えられる。
「
「私も助けていただきありがとうございます、そしてだましてごめんなさい」
「ヤスエさんや護衛の皆さんも、ご迷惑をいっぱいかけてごめんなさい」
「ククリは5年間、ヤスエばあちゃんの家事手伝いして罪を償うんだろ、がんばれよ!」
「お父さんの件、おれたちもできる限りのことはします」
「その必要はありません、治療費は私が払います」
ヤスエが父の治療費を肩代わりすると聞き、ククリと
「ヤスエさん!?」
「まだ若いあなたに、父親を失う悲しみを負わせたくないと、約束しましたからね」
父親が助かると知ったククリは両目から涙がこぼれ、
「本当に・・・本当に・・・ありがとうございます!」
「わたし絶対・・・罪を償って・・・この恩を返します!!」
ククリを見届けた
「ククリと父ちゃん、よかったな!」
「ククリさんの罪も、重くならなくてよかったね」
「むしろよく、あの程度で済んだものだ」
その時、三人の目の前に、羽が生えた小さな子どものような何かが現れた。
「ルニエルだ!」
「お待たせしました、原ククリ氏の案件完了による獲得スコアを発表します!」
ルニエルは、
救世主になるには、100億点以上必要だと提示したのも
「きたきた!」
カネリは期待に胸を躍らせ、アゼルは不敵な笑みを浮かべ、ボンゴラは息を飲んだ。
「まず、原ククリが依頼した案件そのものは、正当な内容ではないため0点とします」
(この案件を鵜呑みにしたら、俺達も犯罪者になってたかもな・・・)
「ですが事の真相を知り、首謀者アノニナゴの撃破と、原父娘の救済につながったことが評価されました」
「よって三人には、それぞれ200点ずつスコアが与えられます」
「よっしゃあ!」
「またカネリとボンゴラは、
「さらに
「どうだアゼル、救世主になるのはこのオレだ!」
「図に乗るな」
(ククリさんは罪を犯してしまったけど、ヤスエさんに会えたからお父さんを助けられた)
(でも、他に手はなかったのかな?)
「そしてアゼルは情報収集によって真実を暴き、アノニナゴ撃破と原父娘の救済に最も貢献したことが評価され、MVPボーナスで150点追加されます」
「ナニぃいいい!!?」
「フッ、当然の結果だ」
「オレがMVPだろ!身体を張ってククリを説得したんだぞ!」
「なお、ヤスエ邸でムーンジュエル強奪を阻止していれば、カネリがMVPでした」
「ぐっ!」
「惜しかったね、次がんばろう」
「獲得スコアの発表は以上になります、お疲れ様でした!」
役目を終えたルニエルは、一瞬で姿を消した。
こうして
一方、彼らの様子を遠くから見ている謎の人物がいた。
闇のオーラと同じ、薄暗い水面に浮かぶ油のような虹色の髪をしており、邪悪な笑みを浮かべている。
「あれが
「ワルフィーの奴、せっかく力を与えてやったのに捕まりやがって」
「まあいいさ、こっからとんでもねえ『
人々はまだ知る由もなかった、これから起こる出来事が世界を一変し、新たな救世主が生まれる始まりであることを―
『スコア早見表』
スコア100億点以上で救世主になれる!
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