第一/二話 始まりの能≪ビギニング≫ 分岐①

 鏡に映るのは

二人の女性だった。

「だれ?」

 声を掛けられたもう一人の女性は

キョロキョロと辺りを探す。

「いや違う…… あなたはだれ?」

 ようやく気が付いたのか

ふふっと笑みを浮かべると

フンと息を鳴らし

胸を張った。

「いやだから……」

 懐からノートを取り出し

こう綴る。

【我が名はアルキメデス】

 偉人の名と同じだ

海外の幽霊ではない気がした。

 瓜二つだ

どう見ても双子の姉妹が映っている。

【お前の深淵の能≪アビス≫だ】

「アビス? 妖怪か何かなの?」

【失礼な】

「どう考えても……」

 遮るように

ノートを見せてきた。

【お前の知識の能≪アルキメデス≫】

「君の名前なの?」

【よくわかったな】

「名乗ったでしょ」

【お前の能力の具現化だ】

「疲れているのかな?」

 泥が体に纏わりつく

そんな感覚の後に倒れ込む

最後の記憶ではそうである。

【疲れていない】

 ふと刹那の思考が

目の前を説明付けた。

「アビスっていうのが具現化の名称?」

【ご明察】

「どうやって具現化……」

 発する前に

一階が騒がしい

というか呼ばれている。

 急いで二階の部屋から

向かうとテレビの音量が大きい。

「やっと起き……」

【そうだよ遅い……】

 全員が頭髪に目を向けている

だろうな咄嗟に用意した

言い訳を放つ。

「イメチェンかな?」

 父以外は

拍手していた。

「不良になったのか?」

 目をひん剥いている父は

なぜかテレビに顔を向ける。

 視線を誘導され

テレビに目をやると

母が映っていた。

 あからさまに学生時代の母だ

写真で何回も見たことがある。

 タイトルには

想像通りのタイトルがついていた。

【不老不死の解明が一歩前進か】

 その画面に

後ろにいたアルキメデスが

反応する。

 肩をつんつんと叩かれ

スマホで鏡を出した。

【これは私の力でどうにかなるぞ】


 この話において

①を選んだ場合は

スキル≪アルキメデス≫を獲得します

そして≪アルキメデス≫は

一から四で情報を一つ任意で知ることができます

【情報はPLが指定した情報のみで答えてください】

四から六は状況を知ることができます

【状況はその場面でどういう状況であるかを

次の話に関与しない程度に知ることができます】

 例 敵に囲まれた場合

【近くに即死を付与できる敵が存在します】

 ≪アルキメデス≫

発動条件は≪アルキメデス≫が

深都に話しかけてきた時に【任意での選択で使用可能】と

PLに宣言してください。


 第一/二話 完

 この選択での続きは

第四話から続きの話とします。


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