最後の思い出
俺には付き合って数か月の彼女がいる
名前は倫菊華嘉瀬。俺の初めての彼女だ
そして今日、俺は彼女に告白をする
そのために指輪を買った
そんな高級なものではないが、思いを込めて買った指輪だ
そして、待ち合わせ場所で待っていると彼女が来た
あれ?と一目見たとき、違和感を感じた
彼女の視線がどこか厳しいものだったからだ
そう、それはまるで汚らわしいものを見るような....
「ごめん、待たせてっていうかとりあえず、ファミレス行っていい?」
そう言われ、俺は彼女の言うとおりにファミレスに向かって歩き出す
おかしい
彼女は歩くときいつも手をつないでいたはずだ
なのに、なぜか手をつなごうとしても拒否される
なにか、してしまったのだろうか
ファミレスに着くと、意外と人はいなく、すぐにテーブル席に座ることができた
やはりというべきか彼女は俺の隣ではなく俺の対面に座った
注文を終えると彼女は口を開く
「話が...あるんだけど」
彼女は重々しく口を開き
「後輩のこといじめてるってほんと?」
「え?」
一瞬言葉の意味が理解できなかった
俺が?後輩のことを?いじめている?
「いったい...なんのこと?理解ができないんだけど....」
「わかった。じゃあわかるように言うね。サークルの後輩から先輩の彼氏さんにいじめられてるんですって言われたの。」
「いったい誰に?」
「言うわけないでしょ。言ったらその子のことさらにいじめるつもりでしょ?」
意味が分からない。俺がいじめ?そんなことをするはずがない
「俺がするわけないって知ってるだろ...」
そう言うと彼女は俺の言葉にイラついたのか声を荒げた
「じゃあなんでいじめてるなんて言われるのよ!後輩のこといじめてるんでしょ!?ほんとのこと言ってよ!」
「ちがっ...信じてくれ!俺は本当にいじめてなんか.....」
「もういい。反省の色も見えないし、私達、別れよ」
そう言って彼女は荒々しく財布から一万円札を取り出し、乱暴に机にたたきつけでていってしまった
「なんで...信じてくれないんだよ....彼氏よりも後輩の言うことの方が信用できるのかよ....」
俺の心の何かが壊れる音がした
こわれてはいけない何かが
「お待たせ...しました」
気まずそうに料理を運んできたウエイトレスに対してすみません、お会計してください。と言って彼女がたたきつけたお金で支払い、おつりのお金も募金箱にすべて入れて店を出るのだった
誰かの生きるために ルイ @ruisyousetu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。誰かの生きるためにの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます