第5号 最上の椅子と机
(旺文社 標準国語辞典 第七版)より
いす【椅子】
(名)
❶腰(こし)をかける家具。
❷社会や組織などでの地位。ポスト。「社長の―を争う」
***
大学生になってつくづく思うことは、座る時間がありえないほど長くなったことだ。
通勤電車のシート、大学の講義の椅子、食事、自宅の勉強机、風呂場など気づいたときはほとんど座っている。通勤時間や授業時間が中高生の時より2倍近く増えてしまったことが原因であろう。風のうわさによれば、座っている時間が長いと寿命が短くなってしまうという。じゃあ、立ち続けなければいけないかと思えば、それも難しいものだ。で、あるならば解決方法は一つしかないと考える。自分自身にとってぴったりの椅子や机を使用することである。この椅子だったら何時間でも座れるもの、寿命が縮んでも構わないものを使用するのである。この世の中には、名作と呼ばれる椅子がたくさんある。有名な建築家が設計した椅子もある。しかし、それらに座る機会がない。たいていの場合値段が張るからである。ゆえに、お手頃な値段でこれほどまでの条件がそろうものを探さなければならない。そして、これらが当てはまるものが一つある。それは学校の椅子と机である。机や椅子は木をコーティングされたものを使用し、有機物さを感じながら手触りはなめらかである。背もたれの高さや角度、位置は絶妙な位置にあり、集中したいときにも適切である。机には程よい収容スペースがあり、いい感じに収納が出来る。机の大きさもいい塩梅で狭すぎず、広くない。小生の勉強机と椅子を学校のものに変えるべきかもしれない。少なくとも、世間一般に言う名作の椅子ではなく、学校の椅子が一級品であることに間違いはなかろう。読者諸君もその質と性能はすでに身をもって知っているだろうから。
以上、2点の語釈を“大学紀行辞典”に採用とする。
いす【椅子】
人が座るための道具。年を重ねるほど座る機会が増えることが一般的か。おすすめは、学校で使用した椅子が挙げられる。「山寺さんは一度に5脚の-を持てるほどの怪力だ」
つくえ【机】
物を置いたり、書いたりするための道具。おすすめは、学校で使用した机である。収納スペースもあり、大きさも絶妙な塩梅である。「この-の角はなめらかで良い」
― 2024年12月某日 電車シートに座りながら ―
※参考文献
『旺文社 標準国語辞典 第七版』
大学紀行辞典 天久京間 @KyomaAmeku
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