宿題

 氷空は煩悩を抱え、零はサウナでサッパリ。

 そんな時間を過ごした後。


「……うぅ、何で宿題をやらなきゃいけないんだ」


 零は氷空からの圧をかけられ、宿題を無理やりにさせられていた。


「僕もほら、ちゃんと一緒に宿題をやっているんだから。一緒にがんばろ?」


「いやだよ。もう出さない!って決めているんだから」


「どうせ零は頭いいんだし、やればすぐ終わるでしょ。ちゃんとやりなよ」


「こんなこと夜ご飯食べない?まだ食べてなくない?」


 天使と戦い、温泉を堪能していた頃にはもう時刻は既に太陽が落ち、夜も更けていた時刻となっていた。

 もう既に夜ご飯を食べる時間だ。

 それを主張し、零は宿題から逃げようとする。

 零は何としてでも、宿題はやらないという強い意思を主張していた。


「ダーメ!やるのっ!」

 

 だが、それは氷空を許さない。

 不満げにする零に対し、氷空の方はまるでお母さんの如き勢いで声をあげていく。


「夜ご飯食べるのも、寝るのも、ちゃんと宿題やってから!」


「……ふぇ」


 そんな氷空へと零は何処までいっても不満げに示す。


「……ところでさ、ここのところよくわからないんだけど」


 そんな零に対し、氷空はそんな態度のことを無視して自分のテキストを彼に見せ、疑問の声を投げかける。


「なぬ?」


「国語のこの問題……なんでこれなの?というか、作者の考えは何か書きなさいって、クソ問だと思うんだけどぉ」


「あぁ、これはそんなに難しく考える必要はないよ?どうせ、作者の考えを作問者が聞いているわけじゃないし。これはあくまで文章からどういう意味を持つのか。それらを考えていくと───」


 零は宿題等をやらないが、別に頭が悪いわけではない。

 氷空の疑問に対して、零は的確に答えていく。

 教え方もしっかりとうまかった。


「さっ、これで僕はちゃんと勉強を教えたわけだし、もう解放でいいよね?」


 そして、教え終わると共に意気揚々と零は立ち上がる。


「駄目だよっ!さっ、自分の分もちゃんと宿題やるんだよっ」

 

 さっさと逃げようとする零。

 だが、それを許すような氷空ではない。

 強引に氷空は零を座らせる。


「はぁー、別にこんなの難しくはないし、やる気おきないんだよなぁ……なんでこんなことを僕がしなきゃいけないのか。虚無になってくる」


 ぶさくさと文句を言いながら、それでも、零は氷空の言葉に頷いて黙々と宿題を行い始めるのだった。

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