第16話 閃光

 左手で左目を覆い、強い光りを右手から放射する。

「(コイツから目を切ってはいけない、なら片目はしばらく潰れてて良い)」

 そして琳が目を手でガードする。

「(隙だらけだ、このまま脇を刺す)」

 しかし、琳が間一髪ソレを避ける。

「チッ、クソが」

 その時、辺りにけたたましい爆音が鳴り響いた。

「俺は兄貴を超えるんやーー!!」

ドォーン

「(なんだ?この音は、まさか!)」

 そして、カズの方を向くと、そこには頭から血を流して倒れている。

「嘘だろ、カズーー!!」

 弟の方に向かおうとするも、琳がそれを許さない。

「離れろよ!」

 髪の色がまた変わり、琳に斬撃を飛ばす。

「ッッ、(速い、なんだ今までで見たこと無い速度だ、まだこんな力を残していたのか)」

 琳の頬から鮮血が舞う、そして流れる様に回し蹴りが首に突き刺さり、その衝撃で琳が吹き飛ぶ。

「何やってるんだ?お前ー!」

 星が凄まじいスピードでカズに迫ってる。

「弟から離れろ!」

 ショルダーホルスターからウェブリーを抜き星に速射する。

バババッバーン

 その弾丸達が見事星の動きを止めた。そのまま星に急接近する。

「ばぁ!」

「ッッ!速いこんな一瞬でこの距離を潰したのか」

 そして星が反応するのよりも早く永夢の左拳が飛ぶ。

「ごはぁ(ヤバイ、顎に入った、視界が眩む。そしてなんだあの速度、全く反応出来なかった)」

 指先に力を込め、次の瞬間、星のお腹に掌打を撃ち込む。

「吹きとんどけぇ!」

バァーン

 そのまま星が激しく吹き飛んだ後、僕はすかさずカズのそばに近づいた。

「おいカズ!生きてるか?」

「あぁ、、多分生きてる、ここは地獄ですか?」

「ちげぇよこのバカ!」

 カズの頭を軽く蹴った。

「すまん兄貴、ちょっと目の前が、、兄貴後ろ!」

「あん?」

 振り向くとそこには山鎌を振りかざした琳が立っていた。

「(マズイ、ナイフでのガードが間に合わない)」

 咄嗟に左腕を差し出す。次の瞬間…

カキッーン

 左腕から甲高い金属音がなる。

「Что?」

「僕が抜き取りやすいから左腕に六角手裏剣を入れていると思ったか?こうやって投擲だけでなくガードにも役に立つんだよ!」

 その体制のまま強引にトゥキックを琳の腹に入れる。

「オェ」

 足先が琳の腹に突き刺さり琳がのけぞる。そして右側を見ると星が口から血を吐きながらハンマーを振りかざしていた。

「ゴフッ」

「チィィー!(アレ食らってまだ動けるのかよ、でも、動きが鈍い、爆発に加え片方の腕も無い、このままトドメを刺す!)」

 攻撃を軽々と避け、星の首元にナイフを突き立てる。

「貰ったぁぁ!」

 しかし……その攻撃は届かなかった。

「なに?嘘だろ!」

 なんと星は残った右手に持っていたハンマーを捨て首元をガードしていた。

「クソ!何で抜けねぇんだよ!」

 そしてなんと、そのナイフは何故か腕に突き刺さっていた。

「(まさかコイツ自分の腕の金属化を解いたのか、そしたら腕にそのままナイフをあえて刺させ、腕に力を込めてナイフを抜けないようにしたのか。マズイ、早くナイフから手を離さないと)」

 しかし……その判断は遅かった、何故なら。

「琳!今だヤレェー」

 次の瞬間、琳の山鎌が永夢の横腹に深く突き刺さった。

 




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