第14話 覚悟

 琳と激しい切り合いが始まった。

「チィィー(クソが、かなり怪我を負っているはずなのに中々スピードが落ちない。でも、出血が酷いはずから必ずいつかガタ出る、その時まで待つ)」

 そして、琳の背後に影が現れた。

「カズ、来たか」

 思わず笑みが溢れた。

「兄貴ぃ!助太刀するでー」

 次の瞬間、琳の背中が白い光りに包まれた。

ドォーーン

 僕もろとも吹き飛ばされた。

「カズ!だから、お前なぁ〜」

「アレ?俺また何かやっちゃいました?」

「この馬鹿タレがー」

 カズの頭を軽く叩いた。

「ところで、星はしっかり拘束したか?」

「そりゃあもちろん、足をしっかり街頭に括り付けたよ」

「へー、じゃあ、僕らの前に居る、あのハンマー持った片手がない男は誰ですか?」

「ぇ、、嘘だろ」

 目線の先には星が堂々と立っていた。

「野郎、手錠を破壊しやがったな」

「「младший брат、生きてるか?」

「あぁ、生きてるよ」

 星がおもむろに懐から謎の注射器を取り出し琳に手渡した。

「なんだありゃ」

「カズ、マズイぞ、アレは薬物だ止めるぞ!!」

 懐の銃を抜こうとするが、それよりも先に二人が首に注射器を刺した。

「うぉぉぉーー」

 二人の目が血走り、けたたましい雄叫びを上げる。

「馬鹿野郎が!そんな物に手出しやがって、カズ、もう殺すか、両手両足折るしか無いぞ!」

「え?でも殺すって兄貴、ソレは流石に」

「じゃないとこっちが殺られる、逃げるのにしても元晴を担いで逃げるのは厳しい。とか言っても両手両足折るのは時間が無い、元晴が失血死するぞ。さっさと腹括らんかい!!」

「でも……分かった。でも、俺は殺さない様に努力する、それでええな」

「あぁ、それで良い最悪僕が手を汚してやる(どうせもう汚れた手だ、もう、何人殺ったて変わらないだろ)」

 そして僕らは共覚悟を決め、永夢は琳に、カズは星に向かって走って行った。

「オラァ」

 肩からスペツナズナイフを抜き、琳に重い斬撃を飛ばす。

カキンッ

「ですよねぇー」

 ソレは簡単に弾かれた。そしてそのまま切り合いが始まった。先に血しぶきを上げたのは僕だった。

「(クソが、さっきよりスピードが格段と上がってやがる、近距離戦は不利だ)」

 バックステップで距離を取ろうとする、しかし、琳はそれを許そうとしない。

「離れろよ!」

 スペツナズナイフを発射した。ナイフは見事琳の左肩関節に突き刺さっさった。しかし、勢いが止まらない。

「チッ、クソがぁー」

 次の瞬間、僕の髪の色が変わった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る