第12話 最強タッグ

「あれ?衝撃が来ない」

 そして前を見ると、以外な人物が立っていた。

「カズ?お前何でここにいるんだ?別地区担当だろ?」

「ドアホ、そんなんどうでもええから、はよ立てや!」

「お前アレ食らって大丈夫なのか?」

「まあな、何か言うことあるやろ」

「お、おう、ありがとうな」

「何やぁー、言えるやないか」

 そう言うとカズの顔から笑みが溢れた。

「で、どうする?」

「ハンマーの方は俺がやる、兄貴は鎌の方を頼む」

「あぁ任せろ!」

 俺達はお互いの背中を合わせた。その時、向こうの兄弟にも動きがあった。

「何やってるんだ?」

 その時、カズが向こうに質問をした。

「おいお前ら、何でこんな事したんや?そして名前はなんや?」

 その言葉を聞くと向こうが話し始めた。

「我が名は吉川 星(よしかわ すたー)」

「我が名は吉川 琳(よしかわ りん)」

「私達は大きな目的の為にあのお方に付いている」

「何か凄い名前やな、いわゆるキラキラネームってやっちゃな。で、その目的は何やぁ?」

 その時、二人が某赤い国旗の様に頭上に掲げた。そして、二人同時に喋り始めた。

「我らは日本をВладимир Ильич Ульянов様の思想と同じ、皆平等にしたいのだ。その為には、あのお方と共に日本を征服し、一部地域を共産主義国家にしたいのだ」

「そんな事のために、こんなに人を殺したのか!そして、あのお方って誰や?」

「そんなの言えるわけ無いだろ!」

 そう言いながら琳が僕の方に迫って来た。

「カズ」

 小声でそう言呟いた。

「おう、任せな」

 そう言うとカズの目の色が変わった。

「吹き飛べぇ!!」

 琳の足元にニトログリセリンを撒いた。そして、瞬く間にソレが爆発する。

「ナイスタイミングだカズ!」

 カズが上手いこと二人を分断してくれたおかげで一対一の状態に持ち込めた。

「やっと二人切りになれたな」

「さっきから卑怯な手ばかり使いやがって、このСволочьが」

「民間人ばっかり襲いやがって、そんな事でお前らのろくでも無い目的の為にやってる事の方が卑怯だろうが!」

 そしてその勢いのまま相手の首に回転蹴りを叩き込む。

「オラァ!」

 しかし、びくともしない。そして、流れる様に首にナイフを突き立てる。

カキーンッ

 すんでのところで琳が首の間に腕を入れた。

「チッ、めんどくせぇなあ。でも、足元がお留守だぜ」

 膝にローキックを入れると、向こうの体制が崩れた。

「フン!」

 その状態でも琳は無理矢理山鎌を振り、胸を浅く切り裂いた。僕の胸から鮮血が飛ぶ。

「もう、お前とは真面目にやらねぇよ、互いに視界を消そうか」

 その瞬間僕の髪の色が変わった……。


 









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