第10話 鉄槌
※この回も出井 元晴視点での物語です。
「俺の名前は吉川 琳(よしかわ りん)だぁー!」
そう言いながら琳が山鎌を頭上まで上げこっちに走ってきた。俺はすかさず胸のボルスターかc96を抜き、足を狙って撃った。
バンバンッバン
「Ты идиот!そんなの俺に効くわけ無いだろ」
「ですよねぇー」
左のナイフと右のc96を持ち替え、切り合いに持ち込む。でも、ここで一つ誤算が生まれた。
「クッッ、まずいこのままだと押される」
相手の能力相性を考えるのを忘れていた。自分の場合は攻撃しながら、相手の斬撃を防御したり流したりしないといけない。しかし、コイツの場合は攻撃に全力を注げる。なぜなら、体を鉄にすれば刃が通らないからだ。
「(このまま切り合うのは不利だ。そうだアレが利用できる)」
この時俺に天啓が舞い降りてきた、俺はバックステップで距離を取り、ポーチから手榴弾を取り出し安全ピンを抜いた。
「コレでも喰らいな」
手榴弾が琳の足元に転がりものの数秒で爆発する。
ドォーン
そのまま俺距離を取り、M249を捨てた場所に戻った。そして琳にc96で鉛玉を撃ち込む。
「もう何度やっても通用しないぞмальчик」
「(そんな事わかってる、でも、あんた俺に集中しすぎて無いか?)」
琳が弾丸をもろともせず突進して来る。もうすぐで自分に追い付く時、突然、琳が視界から消えた。
ドォン
琳は地面に転がっていた沢山の薬莢に足を取られ前のめりに倒れた。
「薬莢って結構滑りやすいよなぁ!」
そのまま琳との距離を潰し背中にナイフを突き立てる。
「貰ったぁー!」
背中にナイフが突き刺さったと思った。しかし…
カキンッーン
そのナイフは甲高い金属を立てて弾かれた。
「嘘だろ」
「いつから俺が背中も金属化できないと思っていた、このИдиотが!」
そのまま琳がこんぶの足を切りにかかる。
「当たるかよ。あっ、後コレお代わり上げる」
そしてまた、手榴弾の安全ピンを抜き転がす。
ドォーン
瞬く間に辺りに爆音が鳴り響いた。そして琳が吹き飛ぶ。
「(まだ、策はある。アイツの能力はまるで鎧だ、だからこそ何処か守りきれない場所があるはずだ、一番は首だな。そしてもう一つ策がある、それは意識外からの攻撃だ。もう手榴弾は無いこの2つのどちらかで蹴りをつける)」
そして血だらけの琳が立ち上がり何か喋り始めた。
「братья良く来たな」
「(братья?まさか仲間が居るのか)」
振り返ると琳と同じ赤い服を着た男がハンマーを振りかざしながら走って来た。
「マズイ、殺られる」
防御が利かないと悟り、必死にバックステップでかわそうとした、しかし……無常にもその鉄槌が俺の体を捉えてしまった。
ズドーン
そのまま後方にあった壁まで突き刺さる。
「ゴフッ(マズイ肋骨が何本も折れた、踏ん張りが効かねぇ)」
こんぶが激しく吐血する。
「半身引いたから即死は免れたか、やるじゃねえか」
そのまま琳が迫ってくる。
「(マズイ、このままだと死ぬ)」
バンッババン
その時銃声が響いた……
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