第9話 謎の男

※この回は出井 元晴視点の物語です。

 

 永夢と別れてから20分ほどたった、道端には多くの遺体が転がっていた。ある者は頭が潰され、またある者は何か鋭利な物で切り刻まれていた。

「(誰がこんな事をしたんだ、絶対に許せない)」

 俺は遺体の冥福を祈りながら前に進んた、すると赤い特攻服の様な服を着た男を発見した。

「おい!アンタここは危険だ早く避難しろ!(暴走族みたいだな、でも何故ここにいるんだ?)」

 すると男が振り向いて何かを投げて来た、その何かが足元に転がって来た。

「おい!聞いてるのか?ハッ、な、お前」

 男が投げて来た物の正体は人の生首だった。俺は反射的に銃を構えた。

「動くな、動いたら撃つぞ!!」

 男が持っていた山鎌を振りかざしこっちに走って来た、俺は一度忠告したのもあったので容赦なくM249を打ち込んだ。

「うぉー」

バババッ

 辺りにけたたましい銃声がなり響いた。百発あった弾丸はものの数十秒で撃ち切った。

「ハァハァ、やったか?」

 しかし、そこには平然と立っていた。

「なっ?お前不死身か?」

 その答えも言わす男が突進してきた。

「(クソッ、白兵戦では不利だ)」

 俺は咄嗟に持っていたM249とボックスマガジンを捨ててナイフを抜く。

カキンッ

 間一髪ガードが間に合った。そして能力を解放し相手の弱点を探る。

「(せっ、背中?しかも範囲がクソ狭い。首にはIの文字があるな)」

 そのままナイフを押して切りかかる。捉えたと思った。しかし…

「(なんだ?刃が通らねぇ、逆に刃毀れしやがった)」

 謎の男が何かを話し始めた。

「я сделаю это出井 元晴能力、たしか能力は電撃戦、あのДерьмоナチスの戦法と一緒だな。」

「な、お前何で俺の名前と能力を知ってるんだ?まぁそんな事よりお前今ナチスの事侮辱したな、絶対に許さんからな」

「なんだ、ロシア語が分かるのか。じゃあ特別に僕の能力を教えて上げるよ」

「舐めてるのかお前、相手に能力を教えたら不利になるだけだろうが」

「今から死ぬ奴に教えても別に良いだろ、能力はжелезоだ」

「(железоってなんだ?ロシア語が分かるとはいえほんの少ししかできない。I……もしかしてiron鉄か!どうりで硬い分けだ)」

「フッ、面白いじゃないか、お前名前は?」

「敵に名前を聞くのか?」

「今から殺す相手の名前を聞いても別に良いだろ」

「良いよ、教えて上げる俺の名前は………」

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る