第27話

相変わらず朝から元気のいい春だ


「…はよ」


俺の返事にニコッと笑みを返して

肩を並べて学校へと向かう。



ふと視線を下にずらした春が、


「なっちゃんそれ何持ってきたの?」


俺の手に持った紙袋の中身を聞いてきた。


どう説明するかも迷い、

「…莉世に借りたやつ」と返すと、


「りせ…ってもしかしてあの佐々木莉世ちゃん?」


あの、とはどういうことだろうか。

ひとりで考えていると


「莉世ちゃん可愛いよねぇ〜なかなか見かけること出来ないから見れた日はラッキーだよね〜!でもそんな莉世ちゃんといつの間に接点できたの!!?」


「…音楽室で。」


「…そっか〜なるほどね〜つい最近放課後いないと思ったら音楽室に行ってたのね!ならまた今日も放課後それ返すの?」


しまった…放課後返すつもりだったが、

今日は学校からそのまま実家に帰らなければならない。


「今日は一緒に帰れない」と春に告げると

「それはいいんだけどなにか用事??」


家のことを言うべきか…


「…実家に帰らないといけないから。」


「え!なっちゃんこのマンション一人暮らしなの!?驚いたぁ。なら放課後莉世ちゃんに会えるの?もし時間的に会えそうにないなら、お昼休みに保健室に行くといいよ!」


と、俺も知らないことを教えてくれた。

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