第26話
目覚ましをセットしている時間より
かなり早くに目が覚めた
再び瞳を閉じるも
眠れそうになく仕方なくベッドから起き上がった。
コーヒーメーカーの準備をしてから
軽くシャワーを浴びにいく。
もういつも決まったルーティンだ。
いつもはシャワーだけだが、
時間もあるので湯船に少し熱めのお湯をはった。
湯船に浸かりながら今日は莉世にストールを返すのと、放課後、実家に帰らなければならないという面倒から逃れたい気持ちになった。
中学を卒業して、春休みに実家を出てから
今まで帰っていなかった。
2年ほど何の連絡も寄越さなかった父が
急に連絡をしてきたことに驚いたが、
何の内容も知らされてないので、そっちの方が俺は嫌でしかたなかった。
家を出てから愛想尽かしてくれたと思ったのに
、どうせ今回の事もいいように扱われるのだろう。
…頭の中でぐるぐると考えていると、
ふと目に入ったお風呂場の時計が
いつも目を覚ます7:30を指していることに気づきお風呂を後にした。
落とし終わったコーヒーを飲み干し、髪の毛をガシガシとタオルドライさせた。
今日は一応ちゃんとした制服の着こなしで行くために髪の毛もセットする。
洗面所の鏡に向き合うこと5分程、
もう前髪も目にかかるくらいに伸びてきたし
切りたいなぁ…と思いつつ左に流し整えた。
歯も磨き終え、制服のシャツとグレーのカーディガンを羽織りネクタイを緩くしめてから、
家の鍵を閉めてエレベーターで下に降りると
もう春がエントランスで待っていた。
「もーにん!なっちゃん!」
壁に背をつけていた体を離して、片手を大きく振りながら声をかけてきた。
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