第22話

10分程歩いてようやく学校へついた。

まだ4限の授業中だからなのか、

玄関はとても静かだった。


すると後ろから誰かの足音が聞こえた。

振り返ってみると、

長い黒髪を揺らしながらこちらへ向かってくる

莉世がいた。


俺の視線に気づいたのか、ふと顔を上げる莉世と目が合った。


俺の顔を見て微笑み、

「今登校されたのですか?」と聞いてきた。

「寝坊した」

俺の返事に、フフッと笑い俺も少し頬を緩めた。


「そういえば莉世は何組?」

「わたしは3年B組です。」


どうやら隣のクラスだったらしい。

まだ3年になり日数も経っていなかった為、

把握できていなかった。


それにしてもあまりクラス交流がないとはいえ、1年や2年の時にも見かけたことはないなと考えていた。


そんな些細な会話を交わし、

「隣だし教室まで一緒に行くか?」と聞くと、

「すみません…寄るところがあるのでお先に行ってください。」とのこと。


深くは追求せず、放課後また第2音楽室へ行こうと思い、玄関先で別れた。


階段をのんびり上り、

A組の扉を開けた。


ーーーガラッ


クラスメイトの視線が一気に後ろの扉へと向けられた。

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