告白

「……」


「……」


 ベッドに押し倒されるような形になった僕と、そんな僕へと覆いかぶさる環奈。

 そんな中で、僕と環奈は互いに口を紡ぎ続ける。

 どれだけ時間が流れただろうか?

 息が詰まるような、どうすればいいかわからなくなるような、長いようにも、短いようにも感じた時間の果てに。


「……好き」


 ポツリと、環奈が言葉を漏らす。


「えっ……?」


 今、なんて……?


「私は輝夜が好き、好きだよ……」


「……っ」


 想定していなかった。

 想定していなかった言葉を聞き、僕は息を呑む。


「私は輝夜のことが好き」


 そして、更に改めてもう一度。

 今度は更にはっきりと。


「貴方の笑う顔が好き。笑い声が好き。声が好き」


「いつも私を気遣ってくれる優しい貴方が好き」


「一緒にいて居心地のいい貴方が好き」


「気軽に家へと上げてくれて、それで二人であっても楽しめる。ずっと居たいと思える貴方が好き」


「いつもは真面目で誠実なところが好き」


「それでも時にはお茶目で、いらずらっぽく、たまに見せるSっ気も好き」


「絶対に遅刻したり、約束を忘れたりすることがない貴方が好き」


「家を見ればわかる丁寧なところが好き」


「気配り出来ることが好き」


「いつも楽しそうに、リアクションと共に話を聞いてくれる貴方が好き」


「私を笑わせてくれた貴方が好き」


 僕が息を呑んでいる間に並べられる好きの理由。


「……か、環奈」


 真っすぐな告白の言葉。

 それを受け、僕は自分の喉元から何とも情けない、震えるような声で環奈の名前を呼ぶ。


「私と一緒にゲームをしてくれる、ずっと誰もいない世界で閉じこもるだけだった私のことを外に連れ出してくれた貴方が好き。輝夜が好き。私は……私は、輝夜のことがずっと大好きだった」


「ぼ、僕は……」


「ねぇ……輝夜は、私のことをどう思っている?」

 

 震えながら告げられる言葉。

 初めて受けた。

 生まれて始めて受ける、異性からの告白。

 

「……ッ」


 それに対して、僕は動揺と共に……息を漏らす。

 僕は、環奈のことを───。

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