カラオケ
平日で人が少ないとはいえ、コラボカフェ。
ちゃんと人もいるので、ご飯を食べ終えてグッズの確認も終えた段階で店から出てきていた。
「へぇー、こんなの売っているんだ。めずらしっ」
そして、その後、オタク向け感が強くなっていながらもまだ残っている電気街の方に訪れていた。
「ねぇ、せっかくあきばへと来たのになんでそんな難しそうなのを見ているのよ。もっと楽しそうなことしない?」
「はぁー!?あきばは電気街ですぅー。ここに来たからにはちゃんとここら辺も見ないと……僕が今作ろうと思っているロボットの部品ないかな?」
僕はあきばの電気街の方でパーツを漁っていく。
高校生となれば、やっぱり考えなきゃいけないのは大学受験のこと……総合型などで受けることも考えると、やっぱり今のうちから材料になるそうな、自分でロボット等を自作してしました!ってのは良いアピールになると思うよね。
まぁ、ただの趣味だけど。
でも、こうして話せば、海外に出張している親が『将来のことをちゃんと考えているのね!』と言って、お金を出してくれるのだ。
ありがたい。美味しい。
「もう行かないかしら?カラオケとか行かない?私」
「あー、待って!?もうちょっと、もうちょっとだけ!あきばなんて早々頻繁に来るもんじゃないし、今日のうちに珍しい中々買えないのは買っておきたいの!」
「通販でいいじゃない」
「見て買うことに意味があるの!」
静音同様に文系でここら辺にまったく興味のない環奈の催促を受けながら、僕は欲しいパーツ等を集めていった。
「ちなみにだけど、ここに初心者用のロボット工作キットとかがあるんだけどぉ?」
「いらない」
「そうですか……」
良いと思うんだけどなぁ……これ。
いらないかぁ。
■■■■■
電気街で買い物をした後。
「んー、愛の定理を知らない~」
「そも、愛し方を知らない~」
僕たちは環奈の提案を受け、カラオケへとやってきていた。
高校生がそんなにたくさんのお金を持っているわけじゃない。
あきばに来たとしても、やっぱり最終的に時間を使おうとなれば、こうしてカラオケへと来るのが一番丸くなる。
買い物なんてすぐにお金が溶けていっちゃうからね。
「おー、90点超えたぁー!高得点!いつも、ゲームしながら二人で歌っていただけのことはあるわ」
「そうだね。伊達に推しの歌を常に歌っていないよ」
「これがオタクの力だよ。いえーい、ハイタッチ」
「いぇーい」
好きなアニメの主題歌を二人でデェエットとし、しっかりと90点を超えることが出来た僕たちは互いにハイタッチを交わす。
「次は何の曲を歌う?」
「んー、次は僕が一人で歌っていい?環奈が知らなそうな局を歌いたい」
「えー。せっかくなら、二人で歌わない?……というか、私が知らない曲?何それ」
「これなんだけど」
不思議そうに首をかしげている環奈へと僕は曲入れる機械に曲名を入れて見せる。
「あっ、これなら知っているし、私も歌えるよ」
「えっ?うそ、知っているの?だいぶ、昔のアニメだよ?これ。別に有名でもない」
「うん。だって、輝夜ってば、これが面白かった!って話していたじゃない。だから、ちゃんと見たのよ」
「あっ、マジ?ちゃんと見てくれたの?」
「私は引きこもりだもん。時間はいっぱいあるからね!それじゃあ、これを二人で歌おっ」
「おー!これを誰かと歌うとは思っていなかったよ」
妙に二人で歌うことへとこだわる環奈。
そんな彼女と僕は楽しくカラオケで時間の許す限りに歌い続けた。
一人で歌うのもいいけど、他人と歌うのもいいよね。
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