第2話Sランク
「アナスタシア様 私も馬車に乗って良かったんですか?」
あの後、俺はアナスタシア様の要望によりどうせ帰る道は一緒という事で同行することになったのだが騎士達と一緒に馬車の外側を歩くと想像していたのだがアナスタシア様が馬車に一緒にようにと言われたので今一緒に馬車で揺られている。
流石に申し訳ないので一度は騎士と一緒外を歩くことを提案したのだが却下されて今に至る。
「ハルト様 いいんですよ。この中で一番偉いのは私ですもの ふふふ……それよりもハルト様砕けた喋り方で宜しいですよ?」
「アナスタシア様 えっと……流石にそれは不敬にはなりませんか?」
「いえいえ!私本人がいいと言ってるのでいいですよ!。それにあんまり堅苦しいのは好きではありませんし」
と念押しをしてくる。
流石にここまでは言われたら断る方が失礼な気ががするので口調を変える。
「わかった アナスタシア様これでどうかな?」
「自然体って感じでいいですね」
「アナスタシア様は敬語なんですか?」
「あー…私はこれが自然体なので気にしないでくださいませ」
「それよりもハルト様の戦闘一瞬馬車の中から見えたんですけど凄いお強いですね。」
「あはは……それほどでも」
面と向かって言われる照れる。
「今日はこの辺りで何をされていたんですか?
えっと……ちょっと気になっただけで言いたくないのであれば結構です。」
「あーそれはですね。この森あたりが初級の狩場なんですけど普通いるはずのないオークが出現したので冒険者ギルドから依頼を出されて討伐した帰りだったんだ。」
「おおー! 凄いですねオークといえばBランクの魔物ということはハルト様はかなり高ランクの冒険者なのですか?」
「まあね」
「ちなみにですけどランクお伺いしても宜しいでしょうか?」
「Sランクだよ」
特に隠す必要もないし堂々と言うことにした。
「Sっ!!!」
アナスタシア様は結構驚愕しているようだ。
けど普通はこんな反応になるのは当然だ冒険者のランクとはS、A、B、C、D、E、Fの7段階に分かれており、その中でもSランクの冒険者は12人しかいない驚くのも無理ないだろう。
「けどハルト様 Sランク冒険者は皆んな顔割れているはず何ですけど私ハルト様の事聞いた事がございませんわ」
一騎当千の個々最強の力を持つSランク冒険者との関係を持ちたい貴族は多いので貴族の人たちには顔が知られているし一般の小さい子から大人までも冒険者を志すならSランク冒険者は英雄なみたいなものだしどのSランクが最強か?という話題も尽きない。
「あーそれは俺が最近Sランクに車格したので」
「だから私が知らなかったですね」
という話を続けていると街の正面門が見えてきた。
「どうぞ」
馬車に貴族の家紋が描かれているからか門番の騎士も俺達のことを一回も確認せずに街に入れてくれる。
それよりも街に入ったしそろそろ馬車から降りた方がいいような気がする。
「アナスタシア様」
「どうされました?ハルト様」
「街に着きましたのでそろそろ馬車から降りようかと」
「それは困ります。ハルト様は今から私の屋敷に歓迎しようかと思っていましたので」
「えっと何故?」
何で俺がアナスタシア様の屋敷に同行するのだろうか?
「ハルト様 私の命を助けてくださったじゃないですか。そしたら貴族して褒美を与えないわけには行きません」
「たまたまあの場に居合わせただけなので大丈夫」
確かに命の恩人かもしれないが本当にたまたまなので分不相応だと思う、何より貴族のお屋敷に行くのは気後れするし何より面倒事になりそうなので嫌だ。
「そういうわけにいきません!レインブルク家として命の恩人に何もなしというのはプライドが許しませんわ!」
と鼻息荒く顔を近づけてくる。
「高い近い!わかった行くから」
「ふふ…それで宜しいのですわ!」
と得意気な顔をする。
「アナスタシア様 ちょっと冒険者ギルドによっていいかな?」
冒険者ギルドで依頼を受けた場合依頼達成後迅速にギルドに報告しなきゃいけないという決まりがあり、破ると罰金を払う羽目になる。
「じゃあこのままいきましょうか」
「えっ!!このまま?」
「はい 問題ありますか?」
「いえ!ありません」
アナスタシア様の問題は受け付けておりませんという顔を見て反論できずこのまま向かうのであった。
冒険者の知り合いにあったらどうやって説明しようと悩みながら馬車は冒険者ギルドの方向に進んで行くのであった。
呪われた公爵令嬢を助けたら護衛兼執事に任命された 池田 春 @IKeDa1346
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