Chapter 1-6 幕間

管理室に入り、一息付くように椅子に座ったマダム。


「マコト、茶」


「はい」


そう言われると同時に備え付けの冷蔵庫からお茶のボトルを取り出した。


それを受け取り、蓋を開けゆっくりと飲み始めた。


管理室は監獄棟内の全ての制御をすることができる。


主に使用されるのは監視カメラとなるが、指定した映像や音声を即座に表示したり、おかしな動きをしている囚人を重点監視したりすることができる。


「さて、あの子、エリーゼだったかい。運動や魔力の基礎は問題ないんだっけ?」


「ええ、ハンター協会の施設で育っていますので基礎は問題なく、格闘もそれなりで

しょうか。

対人よりもサンドバックを相手にしている時間の方が長かったようですが」


「そうかい」


マダムは少し考える顔をしながらお茶のまた少し飲んだ。


「じゃあ、強さ的には真ん中あたりでいいかい?」


「いえ、一番上で構いません。彼ならそれなりに手加減も出来ますので」


訝し気な顔でマコトを見たマダムは「そうかい、じゃぁそれでいくかい」と溜息交じりに言い、タブレット型の端末を取り出し、何かを打ち始めた。

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