本調子
翌朝目覚めると先輩が私の顔を覗き込んで微笑んでいた。
「おはよ。昨日は看病ありがとね」
「もう治っちゃったんですね。残念です」
あ、と気づいた時には遅かった。
「へぇ?ずっと風邪引いてればいいって思ってたんだ?ふーん?」
「…すみません。素直な先輩のままでいて欲しかったなぁと」
この際ぶっちゃけた方が得策だろう。
「あーあー。そんな子に育てた覚えは無いんだけどなぁ。悲しいなぁ」
「先輩に育てられた覚えはありませんよ」
およよ、と泣き真似をしながら先輩がベットから起き上がりフラフラとした足取りでキッチンに向かう。
「…生理は大丈夫なんですか?」
「ん〜?死にそうだよ?」
ダメじゃん。よく見ると顔色は悪いしヘラヘラしているけどたまに顔を顰めている。
「もう、私の前では強がらなくても良いんですよ?」
「好きな女の子の前でこれ以上無様は晒せないかなぁ」
心配してるのに…
顔色の悪いフラフラした足取りの先輩を見ていると落ち着かない。
「もっと頼ってください。なにかして欲しいことはありますか?」
「…えっち、は今出来ないしなぁ。猫耳メイドコスプレで御奉仕…?」
「却下」
なんだ、猫耳メイドコスプレって。そんなもの持ってないし、あったとしてもやらない。恥ずかしすぎる…
どうして先輩はそっち方面のお願いしか思いつかないのだろうか。不思議でしょうがない
「じゃあキス。昨日できなかった分も含めてね」
キスかぁ…微妙なラインだけど…まあ、ギリOKかな…?
「正直、嫌いじゃないでしょ?キスするの」
「うっ…それは、そうかもですね」
先輩のキスが上手すぎるせいだ。なんにも考えられないくらい濃厚で、食らいついてくるみたいなキス。だけど、そこに優しさも感じてしまう。
こんなキス覚えさせられたら…正直他の人じゃ満足出来ない気がする。
「じゃ、いいよね。するよ?」
「はい…」
いつの間にか壁際まで追い詰められていた私は先輩の唇を抵抗することなく受け入れた。
初めは、啄むように…段々とこちらの意識を飲み込むように…先輩の舌が私の口内を蹂躙していく。
いつキスをしても同じようなキス。絶対忘れられない甘い時間。
キス中に見つめてくるのもいつもの事。
私がその瞳に絡め取られて動けなくなる日は案外、もうすぐなのかもしれない。
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・ワンポイント・
この作品って終わり方考えてないのでどうすればいいか思案中
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