仲良く(?)

柊先輩と仲良くすることが決まり少し考え事をしていた。


今まで邪険に扱いすぎたのかもしれない

……いや、先輩が先に仕掛けてきたんだし妥当だわ。


いきなり媚薬盛ってくる人と最初から仲良くするのは無理だわ。うん。私正常。


まあずっと雑に扱うのも可哀想だし一応先輩なので仕方なく、そう仕方なく仲良くしてあげないこともない。決して囁きに負けた訳じゃない。


……朝から考えることじゃないな。


固まったからだを軽くほぐしベットから立ち上がろうとすると服を引っ張られていることに気づいた。


「あれ、先輩起きてたんですね。おはようございます」


「……はよ」


なんだか顔が赤いし様子が変…?

いつも変だけど。


「先輩?大丈夫ですか?」


「…大丈夫」


先輩はそのままベットの端までのそのそと移動し立ち上がろうとした。

でも立ち上がれずに膝から崩れ落ちた。


…え!?


「ちょっ、大丈夫ですか!?先輩!」


「…大丈夫だから」


「どこからどう見ても大丈夫じゃないですが??」


先輩を抱き抱えベットに戻しおでこに手を当てる。

…すごい熱だ。


「先輩、多分風邪ですよ」


「…え?風邪…?」


??なんで疑問形なのだろうか


「…ただの生理だよ?」


なるほど…?でも熱はあるしなぁ。

試しに体温計を先輩に渡してみる。だけどぼーっとしてて動かないので仕方なく電源を入れ先輩の脇に挟んで数値を見る。


…39.4。めっちゃ高熱じゃん!


「先輩、めっちゃ高熱ですよ」


「あ〜、じゃああれだ…生理と風邪が同時に来たんだね…あはは」


笑っているはずなのに目は虚ろだ。汗もかいてるし頬は赤く染っていてどことなく色っぽさが…あれ、何考えてんだ私。


「先輩、生理重いんですか?」


「…まあまあ」


そう言いながら布団の中に潜っていってしまった。

布団の中でモゾモゾしている姿は普段の先輩のような感じが微塵もなくて庇護欲が湧き立てられる。


「…早く学校いきなよ」


「いやいや、こんな先輩放っておいて学校行けませんよ。看病しますって」


「ダメ、行って。これ以上、私の醜態を晒したくないから」


布団から顔だけ出してこちらを見つめてくる先輩の目は潤んでいて、なんというか、ヤバい。


「と、とりあえず汗ふくもの持ってきます」


なんだか危ない気がしてその場を離れ、顔を冷水で洗った。

…調子狂うなぁ


洗面器にお湯を入れてタオルを持って先輩の元へ向かう。


「ほら、拭きますよ。服脱いでください」


「…やだ」


はぁ。くっそかわいいんだけど。誰これ。こんな可愛い生き物があの柊先輩なの?


ささやかな抵抗をしてくる先輩の服を強制的に脱がせてタオルで汗を拭う。

普段の先輩であれば

「陽菜ちゃん…大胆だねぇ」

なんて言ってきそうなものだけど今の先輩は大人しい。


「前は自分で拭きますか?」


無言で首をぶんぶんと振る先輩。


「……じゃあ前、失礼しますよ」


ごくりと、私の喉が音を立てて緊張を表していた。


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・ワンポイント・

風邪で弱ってる人は総じて可愛い

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