魔法バトル

「愛しの陽菜ちゃんの頑張りを見に来たんだよ」


「そういうのいらないですから」


半分くらい本当かもしれないけど……


「生徒会副会長として新入生の実力を実際に見てたってとこかな」


やっぱりちゃんと仕事があったみたい。私目当てだけで来るのは流石にやばいもんね


不敵に笑う柊先輩を見ているとふつふつとイライラが込み上げてきた。先輩の傍にどんどんと歩み寄り文句を垂れる。


「キスマーク…みんなに見られたんですけど!どうしてくれるんですか!」


「…私以外に体を晒したの?」


え、怖。急にハイライトを無くした目でこっち見ないで。ヤンデレだったりしないよね…?そんな設定知らないよ?


「ふふ、冗談。私のだぞ〜ってけん制出来たし良きかな良きかな」


「良くないです!」


私がむくれているとクラスメイト達は何故か色めきだす。

ちょ、頭撫でんな!みんなもキャーキャー言わないで!!


「もう!頭きた!絶対許しませんから!」


「ほう?じゃあどうするの?」


「それは、えっと、魔法勝負です!バトルです!真剣勝負でコテンパンにしてやります」


私だって唯一属性の使い手。無様に負けるつもりは毛頭ない。ここでぎゃふんと言わせてやらなくては気が済まない。


「良いけどどうせやるなら罰ゲーム付けようか…負けた方が勝った方の言うことを1つなんでも聞く、とか」


「いいですよ、私が勝って毎日のキス無効にしてやりますよ」


「え、それは困るから本気出さなきゃね」


絶対に負けられない…私の今後の学校生活の安泰が掛かってるんだ!絶対に勝つ!


「新入生のみんな。今から現生徒会副会長の私と、今回の試験の筆記及び実技どちらも満点を獲得した生徒会入り決定の生徒である陽菜ちゃんと模擬戦を行うので、よく見て自身の成長に繋げてください」


え?私両方満点?やったぁ。普通に嬉しいんだけど。みんなどうよ!すごいでしょ!

みんなの方を見るとキラキラした目でこちらを見ていた。ふふふ、そうでしょそうでしょ


「ほら、ボケっとしてないで始めるよ?」


「っ!はい、何時でもどうぞ」


「先制は譲ってあげるよ」


舐められたものだ。この緩みきった慢心を叩き壊す!


「絶対零度」


瞬間的に氷の魔力が広がり私と先輩のいる一定範囲を氷漬けにした。環境を変えて、私のフィールドにする。


「良いね、それじゃこっちからもいくよ?」


そしてどこからともなく取り出したのは美しく、そしてバチバチと紫電を帯びた双剣だ。

接近戦タイプかぁ…苦手なんだよね…


コンマ1秒。瞬きの間に先輩は眼前に迫っていた。


「ほっ、と」


「ッ!?……速いですね」


「まだまだ遅い方だよ」


これで遅い方?さすがにやばいなぁ。直線無くしちゃうか


地面に手を当て作り出したフィールドの形を変える。所々に氷が飛び出し直線で私のところまで来れないように改造。


「アイスバード」


氷で出来た自動追尾型の鳥を5体生成。


「そんなんじゃかすりもしないよ?」

「紫電!」


先輩が振った剣から紫電が放出され斬撃の形を取ったまま私のアイスバードを破壊する。


「氷壁」


その隙に先輩を剣を振る隙間すらない壁で覆い尽くす。さらに追い打ちをかける。


「アイスニードル!」


先輩の頭上に5本のアイスニードルを生成。即座に射出する。


「なかなかやるじゃん」


その声は後ろから聞こえてきた。


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・ワンポイント・

氷系魔法大好きです

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