妥協案
「ちょ、ちょっと、待ってください!」
「私ね、待つのは苦手なんだよね」
どうしよどうしよ!逃げれないし、説得しようにも出来そうにないし!
何か、何かないの…?先輩を留まらせるための何か……
「あ、あの!」
こちらをじっと見つめてくる柊先輩。この説得がダメだったら本当に後がないんだって事をありありと感じさせる視線に顔を背けながらも最後の手札を切る。
「明日の試験に、万全の状態で望みたいんです…!だから、やめてください…」
「……う〜ん。そう来たかぁ」
何とか、押し切る…!
「明日の試験で生徒会に入れるかどうかも決まりますし…ダメ、ですか?」
ほら!私の顔が好きなんでしょ!?上目遣い&甘えた声でお願いしてるんだから!やめて欲しいんですけど!!!
「そんな顔されちゃうと……我慢できなくなっちゃうかも」
逆効果だった!?
「どうしよっか、明日に支障が出ないくらいで止めとく?」
「あの、それは具体的にはどのくらい…」
「ん〜、2回くらいかなぁ」
いやいやいや、全然支障出るでしょ!というか2回で少なめだとしたら本来はどれだけ……
「本当は朝までしたかったけど…しょうが無いよね」
朝までコースでした。はい、終わってます。
無理無理無理!全てにおいて無理!
「その、えっち無しの方向じゃダメですか」
「え?それだと、体辛くない?媚薬盛ってるし2回はスッキリしとかないと、寝れないと思うけど?」
そうなんだよなぁ!薬盛られてるからなぁ!
理性が今めちゃめちゃ働いてるのと、ちょー考え事してるからあれだけど、落ち着いたら絶対体やばいよね……
「だから、明日万全な状態で試験に挑むためにも、ね?」
あーーーーーー!もうどうにでもなれぇ!
「……えっちは、今日だけですからね!絶対に今日だけ!」
「やだ」
「私も嫌です!」
子供か!頼むから今後の安息を確保させてよぉ。
「じゃあ、キスまでなら良いよね?毎日キスまでならおっけいにしてくれたら、えっちはとりあえず今日だけにしてあげる」
「私にメリットが……」
「なら一晩中、朝までえっちするけど?
もしくは一晩中一回もイかせずに焦らし続けるのもありだね」
なにそれこわい
うぅぅぅぅぅ……まあ、キスまでなら……
いやぁ……でも……
あぁ!もう!覚悟決めるしかないじゃん!
「分かりました、その条件で、大丈夫です。
絶対にキスまでですからね!」
「はい、ありがとー。まあ、いづれ自分からせがむようにしてあげるからね」
絶対になる訳が無い…!
「じゃ、そろそろ始めてもいいよね?こんなに焦らされたんだから」
「…………はい」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・ワンポイント・
なかなか本番に入らない2人。読者も焦らしていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます