逃げ道は何処?

こちらに寄ってきたので上体を起こしてお出迎えする。


「柊先輩も、寝ますか?」


「ん〜?まあ、ある意味ねるのかな」


ある意味?……なんだろぉ

私の足元の近くに腰掛けてこちらを見つめてくる柊先輩。

そのまま先輩の手がゆっくりとこちらに伸びてきて、私の首筋辺りに……


「ひゃっ」


「ふふ、感度良好」


な、なんで急に…?というか触られたところが熱い…なんでだろ。謎の感覚に戸惑っている間に、いつの間にか先輩がベットの上に上がってきていた。


そのままこちらへにじり寄ってくる。そして平然と私に跨りそっと押し倒してくる。


……え?なんで私押し倒されてるの?


「あ〜本当に可愛いね…」


そう言いながら頭をナデナデしてくれる先輩。すごく心地よくて脱力してしまう。


しばらく撫でられていると急にお腹の方が寒くなって下を見るとシャツが捲られていた。


「……あぇ?なんで…ひゃんっ」


「スベスベだね、かわいい」


何故かお腹を撫でられている私。普段なら絶対恥ずかしいのに何故か、もっとして欲しくて堪らない。自分が自分じゃないみたい…自制が…効かない?


「惚けた顔しちゃって、なんでこんなことになってるか、知りたい?」


とても楽しげな表情で先輩は語り出した。


「今この瞬間まで、ぜーんぶ私の仕込みなんだ」


仕込み……どういう事?


「陽菜ちゃんのお部屋が無かったも、私とルームメイトになったのも、さっきの薬も全部私が仕込んで最終的に今みたいな状態にするために仕込んでたの」


……なに、どういう、こと?


「元々ね?入学前から目を付けてたの。2人気になる子が居たんだけどね?ひとりがピンク髪のツインテールの女の子なんだけど……なんか、すっごい鼻息荒いし、変なことブツブツ言ってたら近寄らないことにしたの」


それって主人公じゃない?しかも転生者っぽく無い?


「それでもう1人の気になってる子が、陽菜ちゃんの事ね?首席合格で頭が良いし、陽気な子って聞いてたんだけど、実際は大人しくてすっごいタイプなんだよね」


私が……タイプ?


「しかもなんか迷子になってて可愛すぎたから絶対に私のモノにしたいなって思ってさ、陽菜ちゃんに割り振られるはずだった部屋を急遽生徒会の物置にしたの」


……え?生徒会こわくない?職権乱用じゃん


「それで困ってる陽菜ちゃんとルームメイトになろうと思ったらそっちから誘ってきたからさぁ。もう運命だよね」


私の中の……先輩像が……崩れていく


「それで、さっき飲ませたのは媚薬。体力回復薬なんかじゃないよ」


媚薬……だから、こんなに……


「先にちゃんと私の事好きにさせてから〜って考えたりもしたんだけどね?先に体を堕とせば自ずと心もついてくるかなって思ったんだよね」


体を……堕とす?それってつまり……


「ま、待ってください…そんな急に」


「待てない。それにさ、もう抵抗する力なんて、残ってないでしょ?」


脱力しきってて力が入んない。さっきからずっと撫でてきたのはこれが目的…?

力も入らないし、押し倒されてて動けない。

これって……詰み…なの?


「楽しい夜にしようね」



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・ワンポイント・

作者は百合NTR絶対拒絶委員会会長なので、主人公に……なんて展開は何があってもありません。世界の強制力とか無いです(((

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