2人きり

「さて、荷物の搬入も済んでいることだろうし部屋に向かおっか」


しばらく話しているとまあまあいい時間経っていた様で柊先輩のお部屋に、ついに行くことになった。

やっぱりちょっと緊張するかも…!どんな感じの部屋なのかな。


柊先輩の後ろをトコトコと小動物のように着いていく。……自分で言ってて痛いけど、傍から見たら事実だから!


「ここだよ。1番奥だしわかりやすいでしょ?」


確かに分かりやすくて助かる。陽菜になってからというもの迷子になりやすい気がしてならない。そんな設定あったかな……


「はいこれ、合鍵ね」


「あ、はい。ありがとうございます」


合鍵って言い方なんか、同棲カップルみたい。まあ実態は百合ゲーのヒロイン同士っていう恋愛関係から最も遠そうな関係なんだけどね。


というか柊先輩が主人公といい感じになったらルームメイトである私、めっちゃ気まづくない?因縁つけられたりしない?


「どうしたの?入らないの?」


立ち止まって考え込んでしまった。


「入ります!失礼します!」


部屋に入ると柊先輩が扉を閉め鍵をガチャっと掛けた。


おぉ……すっごい綺麗。清潔感があってちょっとした小物とかもあってオシャレだし。

センスあるなぁって感じの部屋だ。


「一応部屋にもお風呂も付いてるしキッキンもあるからね。こっちが寝室。急だったからベット1つしかないけど大丈夫かな?」


「……ベットデカくないですか?」


「キングサイズだからね」


これも、生徒会特権なのか…?本当に生徒会の権力が高いって凄いなぁ。俄然やる気が出る!


というか一緒のベットで寝るの?緊張で死ねるよ?


いや、まあ、キングサイズだし、いけるか。


あれ、ほかにも部屋がある。なんの部屋だろ


「ここの部屋はなんのお部屋ですか?」


「そこは私の作業室だね。見る?」


作業室?なんの作業だろ。気になるじゃん。

ではでは、オープンザドア!


「これは……薬品…?」


「うん、解毒薬とか回復薬、媚薬に眠剤、あとは、魔力回復薬とかだね」


すごぉ……というか今の今まで魔法とか存在忘れてたわ。


…………あれ?なんか途中変なもの無かった?


「あの、もう一度お伺いしても?」


「解毒薬、回復薬、媚薬、眠剤、魔力回復薬だね」


「媚薬!?」


な、な、なんてハレンチなものを…!しかも普通のやつの途中に持ってきて誤魔化そうとしてませんか!?


「あはは、いい反応するね。媚薬とかはね、高く売れるんだよね。だから作ってるの」


売れるんだ……まあ、売れる…か?


「まあまあ、これでも私結構有名な薬師なんだよ?これ飲んでみてよ。体力回復薬」


そう言って渡してきたのは小瓶に入ったピンク色の少しとろみのある液体。変な色だな……まあ、ポーションなんてそんなものかな。


「味も色々と改良して甘くて飲みやすくしてるんだよ」


「へぇ……じゃあ飲んでみます」


「うん、グイッと飲んでね」


と言われたので一口で飲み干す。あ、甘くて美味しい。

これで体力回復するのかな。ゲームの世界すげぇ〜。


「なんだか体が温まってきた気がします」


「うん、薬が効いてるって事だね。まあ、もう少ししたら効果がより実感できると思うからそこのベットで休んでな?」


う〜ん。……なんだか頭がふわふわするけど急激に回復してるからかな…

お言葉に甘えて休ませてもらおうかな。


そう思い隣の部屋に移動しベットにボスっと倒れ込む。


ふかふかだぁ。いい匂いするし……柊先輩の匂いかな……

しばらくゴロゴロしていると部屋の扉が開き柊先輩が入ってきた。


「そろそろ頃合いかな」


そんな事を言って柊先輩はこちらへ寄ってきたのだった。


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・ワンポイント・

柊先輩の好みは賢いけど、どこか抜けていてコントロールしやすい子。

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