入学式
朝の準備を終えた私は鏡の前に立って自身の姿を確認していた。
正面、横、後ろ。全部かわいい。
えなにこれ。こんな生物が存在していいの?制服がこれ程までに似合う子居ないでしょ。
薄ピンクを基調としたシャツにめっちゃ濃い赤と白のスカート。髪色と合ってて可愛い。
鏡の自分に微笑みかけるとそこには天使がいた。
これ死人出るよ?
ここに本来は更に性格のギャップもあって人気のキャラだったんだけど、私は見た目通りのお淑やかご令嬢でいくからね。異論は認めない。
ということで早速出発。学校に着いたら入学式を終えて、その後生徒会、部活紹介を行ってから、寮に向かうらしい。
全寮制である桜花学園は歴史ある学校で、次の日に試験があるのだが、学年のツートップが生徒会に入る決まりらしい。
ちなみに、生徒会には入る予定だ。お淑やかご令嬢として規律正しく、成績優秀である所を見せつけるチャンスだからである。これでも前世で、勉強は死ぬほどやったので多分、おそらく、きっといけるはず。
そんなこんなで、学園に到着。
すっごい大きい……さすがは歴史ある学校
それにしても……道が分からない。体育館どこぉ?
しばらく辺りをオロオロとしながら彷徨いていると、一人の生徒がこちらに来て声をかけてくれた。
「君、新入生かな?体育館はこっちだよ」
あ、あの人は……生徒会副会長……あ、今はまだなのかな?いやそんな事はどうでもいい!
青のグラデーションのかかったセミロングの先輩ヒロイン……
こんな所で会うなんて……いや、私が迷ったからか。とりあえずお礼お礼
「あ、あの。助けてくださってありがとうございます」
「ん?気にしないで、可愛い子が困ってるんだから助けるのが当たり前でしょ?」
な、なんって、キザなセリフを……でもすっごい自然。しかも、カッコつけっていうより、本当に常識として語ってる……格が違うや。
「ほら、着いたよ。今度からは迷わないようにね」
「はい、ありがとうございました」
すっごい優しい人だったなぁ。ゲームだとまだ攻略して無かったから、ほとんど何もわかんないけど良い人ってことはわかったな。
体育館に入り、指定の席に移動する。
姿勢よく、優雅に着席し、周りの人に令嬢感を見せつけていく。みよ、この見るからにお淑やかなご令嬢を!
自分の容姿がいいとわかっているからこそ、何をするにしても楽しい。私はよく居る無自覚系では無いのでしっかりと周りの反応を正しく受け取ることが出来る。
ふふ、周りの女の子も見惚れてるね。一応百合ゲーの世界な訳ですし、無自覚に人の心を撃ち抜くご令嬢として生活するのもありだなぁ。
ロールプレイみたいでとても楽しい。みたいというか、もうロールプレイだ。もう主人公がどうのこうのよりも、完璧な令嬢を目指したい。
目標が決まった所で入学式が終わっていた。あれ?何も聞いてないんだけど。
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・ワンポイント・
ヒロインの名前には必ず花の名前が入っています。
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