百合ゲー転生!ヒロインになったので主人公とのフラグ回避してたらもう1人の先輩ヒロインに迫られています!
暴走天使アリス
百合ゲー転生!
百合ゲー。それは女の子同士がイチャイチャするのを眺めるためのゲーム。
私は友人に勧められた百合ゲーをしていた。偏見や差別意識は全くないが今まで百合というものに触れることが無かった上に恋愛自体に興味が無いのでこういったゲームをするのは初めてだった。
まあ、減るものじゃ無いし、良いかと思ってゲームを始めたのだが……ビジュアルがめちゃめちゃ良い。美少女同士が仲良さげにスキンシップを取っているだけなのだが……心が浄化されるようだ。
ビジュアルの良さと普段見ることの無いような純度の高いイチャイチャシーンによりゲームに没頭してしまい、気づくと深夜3時である。
そろそろラストシーンが近いのでそのまま進めると……えっちな展開になっていった。
その、なんというか、筆舌しがたい感情に襲われた私は恋愛経験皆無な上にこういったことへの耐性が非常に低かったみたいで……
ポタポタという音がするので下を向くと……鼻血が出ていた。それも大量に。
今までは何ともなかったのに鼻血が出ていることを認識した瞬間どっと疲労や貧血感が押し寄せて来る。
そして、そのまま意識が飛んでしまった。
最後に自分が倒れてガンッ!という頭を打つ音が聞こえてきた。これ死ぬくない?
百合ゲー開いたままだし、人に見られるのやだなぁ
そんな後悔をしたまま私の意識は途絶えた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝日がカーテンの隙間から差し込み今日という日の始まりを告げる。
始まり……?なんで始まるの?私死んだんじゃ無いの?
ゆっくりと瞼をあける。
「知らない天井だ……」
家の天井はもっと、こう、ボロかったはず。
こんなにも澄んだ白色はしていなかった。まさか、ここが天国というの!?
上体を起こし辺りを見回す、と同時に違和感に気づく。それも沢山。
ここ、誰の部屋?髪長くない?むしろ色も違うよね。胸が重くない?
え?いや、え?なにこれ。
……うわ、髪サラサラ。これ、何色なの?若干ピンク味のある白?
胸は……Cくらい?一晩で2カップも大きくなることある?……無いよなぁ
近くに化粧台があるのでベットから乗り出して鏡を覗いて見た。
「うーん、これあれだ。転生ってやつだ!」
鏡に映る自分は先程やっていたゲーム内のヒロインの1人、
儚げな雰囲気を漂わせるこの子は見た目とは裏腹に元気なThe陽キャみたいなキャラだ。
黙っていれば深窓の令嬢そのものなのに。
眠たげでとても可愛らしいお目目は左は透き通るような翡翠色。右は可愛らしい薄ピンク色でなんとも珍しいゲームならではのオッドアイである。
髪も腰まであるし、手入れ大変そう。
鏡の前でペタペタと頬っぺを触っていると母親らしき人の声がする。
「もう起きたのー?起きたのなら早く準備なさいよ?今日入学式でしょ」
入学式……入学式!?
つまり、それって、今からゲームが、始まるってこと!?
頭の中は色々なことがありすぎて大パニックである。とりあえず冷静になるため深呼吸をし、顔を洗うために部屋を出た。全く知らない家だけど、体が覚えてるみたいで勝手に目的地へと進んでくれる。ありがたい。
目的の洗面台へと到着した私は顔を洗いながらこれからのことについて考える。
とりあえず、主人公と絡むのはご遠慮願いたい。イチャイチャを見るだけなら良いが自分が入るのは、なんか違う。あと普通に恋愛する気が起きないからフラグは回避したいところ。…………どうしたら回避できるんだろ。
会わない、とか?いやでも、クラス多分一緒だよね。……いっそ、完全に違うキャラになるか。元々私、The陽キャって感じじゃないし、……お淑やかなご令嬢として過ごせば接触無いのでは?我ながら天才かも。うん、いい案だ。
「あんた……いつまで顔洗ってんの?」
……ありえないくらい泡まみれになってる。
とりあえず、頑張るかぁ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます