20 事件 ――発掘――
「訊いてきましたよ、橿原さん」
「先輩、…――」
資料の山に突っ伏して寝ている関をみて山下がくちを閉じる。
斉藤も心配そうに眉を寄せてみてから橿原に向き直る。
「橿原さん、…当たってきましたがね。これは一体、何なんです?」
顔を顰めて、いやそうにいう斉藤に。揃えた資料を橿原に渡しながら、山下が軽く溜息を吐いて視線を伏せる。
淡々と、何を思うのか不明な橿原の声が地下室に響く。
「――――もしかしたら、我々は前代未聞の犯罪者を目の前にしているのかもしれません」
橿原が、視線を苦しそうに眠る関に向けて。静かに橿原がくちにするのに。
斉藤と山下もまた、酷く冷たい汗をかいて眠る関をみる。
意識を失ったように寝ている関の眉が、僅かに苦しげに動く。
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