第50話 一進一退

飛んできた魔法を弾き、その流れのまま振り下ろした剣は捌かれる。


こちらが魔法を放てば相殺され、あちらの拳は避ける。


こちらの攻撃は当たらないし、ところどころにできる微細な傷は、あちらは再生し、こちらはクロコさんに治療してもらう。

(※作者の声 クロコはつねにラースに回復魔法を使っています)


一進一退の攻防。


人間対人間だったならば。


相手は、魔物。


それも、自動で回復する能力付き。


もともとの、筋力、脚力、その他諸々、魔物のほうが強いのだ。


一進一退ではなく、戦況はジリ貧。


このまま戦い続ければいつかこちらの魔力が尽きて終わり。


魔物は魔力切れになっても普通の戦い方に変わるだけ。


魔物に拳で勝負し、勝てるほど僕は人外じゃない。


僕は一人の人間だ。


それに相手には、数の利というものがある。


魔物はただでさえ魔力がめちゃくちゃ多い上、3体もいれば僕の魔力量をゆうに超えるであろう。


つまり。


この状況を根本から覆すほどの、戦い方をしなければ、勝つことはできない。


正直に言う。


リオナーガは、実戦経験が足りてない。


単なる僕との戦いであれば、いい勝負…さらに言えば互角に戦えるかもしれない。


だけど、ここは死地だ。


一つ間違えれば、すぐに殺される。


死ぬ。


才能はリオナーガは僕を超え、ピカイチの物を持っている。


だけどこの死地ならば、彼の力は十分に発揮されない。


戦闘人数が少ない死地に、少しでもレベルの低い人がいれば、逆に迷惑になる。


守りながら戦わなければならないから。


だから、僕が勝たなくてはならない。


[恐闇雷暗ダークライティング]


「上級魔法 光の矢」


魔法同士がぶつかり合い、火花が飛び散る。


…見せてやるよ。


本気。


辺り一帯が重い空気になった。



===

第50話投稿しました〜!


どうでもいい話↓

===


作者「これまで本気じゃなかったの?」


ラース「いや、まぁ、うん」


===


さて! 少しでもこの作品が面白そうだなとか、続きを読みたいな等思っていただけましたら、☆3つ評価と作品フォローをして頂けますと幸いです!


読んで頂き、ありがとうございました~!

<(_ _)>ペコッ







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