第36話 リオナーガの心

※リオナーガ視点


…俺は、貧しい家に生まれた。


生まれてすぐに父親が死に、2歳の頃母さんも死んだ。


俺を引き取ってくれた義母さんは、俺が5歳になってすぐに亡くなり、その後親戚に俺は引き取られた。


一見すればただただ辛いだけの人生かもしれないが、比較的裕福な親戚の家にいるよりも、母さん、義母さんといた時のほうが楽しかった。


それも、彼がいたから。

ラース。


彼は優しかった。


食い物に困っているときは少ないながらも飯を分けてくれたし、彼と遊ぶととても楽しかった。


たくさん思い出がある中で、ほとんどは彼と築いてきたのだろう。


親戚の家に引き取られてからは、つまらない、平凡な生活だった。


ある日、変化が起きた。


1週間前。


俺に手紙が届いた。


『あなたは勇者育成学校に入学しました』


やることもなかったので、暇つぶしにと、入ってみることにした。


登校路で彼を見た。


その時から、俺の心はシリウスもを超える明るさで満ちていた。


勉強を頑張った。


そうすれば、ラースと会えるらしいから。


中途編入のため大変だったが、持ち味の地頭のよさで耐えきった。


魔法を頑張った。


もともと素質があったらしく、使うことまでは簡単だった。


さらに強くなれるように頑張った。


学年2位のルークに勝ったときはものすごいうれしさに襲われた。


次は、ラースとやれるんだ。


俺の心は満ち足りていた。



===

※エーカ視点


最近、記憶がないことがよくある。


いつの間にか王城を出ていたり、側近に


「挙動不審になっていましたが、大丈夫ですか?」


なんて言われた。


今、書類処理をしている。


『トンネル建設について』

『魔物対策について』

『………………』

『………………』

『………………』

 ……………

問題なさそうなものは、どんどんハンコを押していく。


見落としていたものに、気づかなかった。

『魔物対策について


1, 国境に壁を設置する

2, 魔導具の増量

3, 兵隊の給料増加

4, ランディオとの講和条件

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………254, 4

………………………………………………………………………………………………………』




===

第36話投稿しました〜!


投稿遅れてしまい…申し訳ございません。




さて!少しでもこの作品が面白そうだなとか、続きを読みたいな等思っていただけましたら、☆3つ評価と作品フォローをして頂けますと幸いです!






読んで頂き、ありがとうございました~!




<(_ _)>ペコッ










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