第23話 全員集合!

刃を振り抜いては弾かれ、突けば避けられる。


サングロフの攻撃は捌き、どちらも致命傷になる攻撃を与えられない。


ジリ貧だ。


このままだと―魔物達が戻ってきて、僕は負ける。


詰んだのか…?


いや、諦めるな!


最後まで戦うんだ!


ネガティブな考えを頭の中から消去して、目の前の敵にのみ集中する。


「そうだよ。集中しろ、ラース」

この声は…


「ノア!」


「ノアだけじゃないよー、ぼくもいるよー」

「ルークまで!」


「かなり強そうだね。演技なんかしてる余裕はないなぁ」


「正直僕らは、ラースほど強くないから、そこらの隊長級の足止めをする。ラースはそいつに集中してくれ」


ノアが言う。


「それと、こっちにも超級3体と、幹部級5体いるね。超級&幹部級の2体は止められるかわからないから。頭の片隅に入れておいてね」


ルークも続く。


「分かった。頼むよ」


僕には、仲間がいる。

仲間たちを信じて戦うんだ。



===

※ラース視点


強い。

仕留めきれないッ!


ルークとノアもそろそろ限界だろう。


早く終わらせないと。


こっちの状況をわかっているのか、サングロフは不気味な笑顔を浮かべている。



この顔、見たことがある。


イーズさんを殺した時の、あの顔。


忘れることのない、あの瞬間。


イーズさん、村の人達はこの魔物に、殺された。


こいつを、倒すことこそが、彼らへのせめてもの罪滅ぼしではないのか。


その瞬間、僕の中で、何かが芽生えた気がした。


これを使え。


不思議と、そう言われているような気がした。


「伝説級魔法 聖なる光ホリーシャイン


身体強化の、最上級の魔法。


心のそこから力が湧き出てくる。


「伝説級魔法 天怒あまど


作り出した魔力の斬撃を、サングロフに向けて放つ。


確実にダメージは与えられている。


これで、終わりだ。


「伝説級魔法 漆黒の雷光ジェトブラックライティング


数々の黒い雷がサングロフに向かっていき、爆散する。


仕留めた。


そう、感覚で分かった。


煙が開けていき、大きな黒い影が、現れる。


それに続いて、ルークとノアが走ってくる。


「戦うな!こっちに来い!」


ノアが叫んだ。



===

※ノア視点


「結構数いるね。ノア」


「ああ。絶対あっち行かせないからな」


ラースと超級さんとの戦いに、割り込ませちゃいけないからね。






===


「…やばいね。この量は」


「ああ。1体倒すだけでも2人で戦わないといけないし、あと10体くらいとはいえ、後は強いやつしかいない。倒すのはあきらめて、足止めに全力を注ぐよ」






何とか10分くらいの時間は稼げたけれど、もう、これ以上はかなりきつい。


魔物が1体抜けようとする。


最後の力を振り絞って、魔物の首を飛ばす。


「へッ、長かったじゃねぇか。」


ラースが、超級さんに勝った。


「形勢逆転だね、魔物さん」


僕らは安堵の息を吐く。


その瞬間、後ろにいた1体の幹部級魔物が、生き残っていた魔物を吸収し、目にも留まらぬ速さでラースの方へ向かっていった。


まずい。


あいつは、魔物を吸収したことで圧倒的な強さを誇るはずだ。


喉の奥から、声を出す。


「戦うな!こっちに来い!」



===

※???視点

「さぁ、最後の旋律フィナーレだ。」



===

第23話投稿しましたー!


描写していないだけで、魔物も会話できる設定にしています。


なんと!『英雄のその後』が800PVに到達いたしました!

もうすぐ1000PV…感謝です!


さて!少しでもこの作品が面白そうだなとか、続きを読みたいな等思っていただけましたら、☆3つ評価と作品フォローをして頂けますと幸いです!








読んで頂き、ありがとうございました~!






<(_ _)>ペコッ

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