第3話
おとこのひとのいえは、
何回も、いったことある、
「ここ」
パターンは、いつも、おなじで、
わたしはそれを、受け入れるだけ。
「どうぞ」
さかぐちクンも、
べつに、かわんない、
「…おじゃまします、」
さかぐちクンの部屋は、
いがいと、キレーで、
すこしだけ、タバコの匂いがした。
「腹減ってる?」
「…うん、」
吸うのかな、
なんて、わざわざきかないけど、
わたしは、さかぐちクンのかおを、ちらっと見た。
「さいとうサン、食えないものある?手作りでも良ければだけど」
「え、あ、わかんない」
そう言うと、さかぐちクンはふふっとわらった。
「なにそれ、じゃあテキトーに作っちゃうね」
そのままさかぐちクンは、キッチンにたって手際よく料理をつくりはじめた。
さかぐちクンは、
料理とか、よくするのかな、
おとこのひとに、つくってもらうのは、
はじめて。
「はい、どうぞ」
さかぐちクンは、つくえに皿をならべた。
「わ、すごい…」
「名付けて、大人のお子様ランチ!冷めないうちにどうぞ。いただきます。」
ちゃんと、手合わせるんだ、いがい…。
「…いただきます、」
オムライスと、ちょっとのナポリタンとポテトサラダ、あとエビフライ…
「おいしい…」
なんだか、なつかしい味、
「ふふ、ありがとう」
あたらしく知ったさかぐちクンは、
部屋がキレーで、
料理がおいしくて、
いただきますをちゃんとする、
わらいかたが、かわいい、おとこのひと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます