第10話 美熟女を口説く。そしてメンヘラパパ活地雷系女子を拾う。(後)

 地雷女子を連れてやってきたのは隠れ家的なバー。


「席はそこな」


「へぇ…こんな席のお店あるんだ。素敵…」


 席はソファーベッドになっており、クッションの上で足を伸ばせるようになっている。料理やお酒はお盆の上に乗せて食べるスタイルだ。寛いで過ごすことが出来るので色々と重宝している。適当に酒を頼んで乾杯して俺は話を切り出す。


「俺パパなわけじゃん?」


「そうね。遺憾だけど。パパね」


「つまりお前は俺を楽しませる義務があるわけだよね?なんか楽しいことしろよ」


「何その無茶ぶり?!あのね。パパ活っていうのはあたしみたいな美少女がしがないおじさんとデートしてあげることを言うのよ。デートは男がリードするものでしょ。だからあなたがあたしを楽しませるのよ」


「え?なにそれ?お金払って女のご機嫌を取るのがパパ活なの?そんなのに金払うパパたちの気持ちがまったくわかんねー」


 常々キャバやガルバの女の子に貢いじゃう男の気持ちが俺にはわからない。パパ活のパパたちの気持ちも俺には理解できそうにない。


「なんか楽しい話してよ。退屈なんだけど」


 ほんとすぐにイキってくんの腹立つなこの地雷女子。しょうがない楽しませてやろうじゃないか。


「はーい!即興でラップしまーす!」


「へぇ。期待しないけどやってみてよ」


 俺はマイクを持った振りをして、思いついた言葉の羅列をクールにエモくグルーブする。


「ありのまま・・のキミはとてもわがまま・・!おまえのママ・・のボディはとてもわがまま・・!あのまま・・なら生まれたまま・・の姿で欲望のまま・・流されるまま・・おまえのまま・・は俺の腕の中できまま・・に俺のほしいまま・・で。逆にお前はパパに身ぐるみはがされてきのみきのまま・・…」


「ちょっとやめてよ?!何そのくそラップ?!あたしのママへの欲望とあたしへのディスをよくも垂れ流せるわね?!」


「はぁ?だって今頃ほんとだったら俺はイトハさんとセックスしてたはずなんだよ。お前がパパ活なんかしてなければ…くそ!腹立つ!」


 あの時やれてたかやれてないかでいえば100%やれた。やれなかったのはこいつのせい。腹いせしてやりたくなってきた。


「なあパパってあれでしょ?なんかデレデレしながらこんなことはやめた方が良いって説教するんでしょ?」


「まあそう言うパパもいるわね。そういうのは即ブロックするけど」


「俺にも説教させろよ」


「はぁ?何言ってんの?楽しく過ごすのがパパ活でしょ。何しようとしてんのよ」


 地雷系女子の言うことは無視する。


「お前パパ活やめろよ!将来のこととかちゃんと考えろよ!」


「将来のことをちゃんと考えてるからパパ活してるの。お金を貯めてあの女からあたしは独立する。はいロンパー。おせっきょううざーい」


 正攻法の説教は通じなかった。まあこいつの将来なんてどうでもいいんだけどね。


「じゃあイトハさんと仲直りしろ!あれだけおまえのことを考えてくれてる人なんだぞ!お前のために泣いてくれる人のために生きろよ!」


「なにその熱血教師みたいなダサい台詞。むしろあたしはあの女のせいで歪んだ人生から解放されたいからこそあの女から離れたの」


「ふーん。なんかあったの?イトハさんはDVとかネグレクトとかするタイプには見えないけど?」


 俺がそう言うと地雷女子は少し顔の影の色を濃くした。そして暗い声でいう。


「あの女はいつもろくでもない男と付き合うの。そのくせ娘のあたしにいつも付き合ってる男を紹介してくるの」


「それがいやで家でたの?くそ幼稚だね」


「まだ話は途中なんだけど?!別にあの人は誰とも結婚してないし、だれと付き合おうが自由。だけどね。家にまで連れてくるのはなしよ」


「ふーん。ママの男はいえの敷居を跨いじゃ駄目ぇ!ってこと?くそ幼稚だね」


「だから話を途中ではしょらないでよ?!」


「わかったわかった。ちゃんときいてやるからちゃんと全部話せよ」


「ええ。ちゃんと話すからちゃんと聞きなさい」


 俺と地雷女子はそう約束した。ほんと馬鹿なやつ。イキリやすいやつってのはこうやって言質をすぐにとられるから駄目だね。


「あたしはいやだった。もしかしたら新しい父親になるかもしれない男なんて存在そのものがね。それ以上に奴らの目が嫌いだった。あたしにいやらしい目を向けてくるのがね」


 俺はちゃんと傾聴する。まあよく聞く話だろう。シングルマザーとその娘。そして母の新しい男。時にそれはロクでもない結果を招くことになる。


「男はどうしようもない生き物よね。欲望を我慢できずに外に垂れ流す。あれはあたしが中学生くらいの頃だったわ。おっぱいが大きくなり始めたばかりの頃」


 まあこの先は想像に難くない。だからはよいえやって感じ。


「あの男とあたしは母がたまたま仕事で遅れたせいで家に二人きりだった。そしていきなり豹変した。そしてあたしを襲ってきたの」


 はいはい。トラウマトラウマ。どうしてこうメンヘラ系女子って自分の性被害をやたらと語りたがるんだろう?


「運良くあたしは男を躱して、家の外へ逃げることが出来た。でももしあたしがもう少しドジだったら、あの男がもう少し狡猾だったら。きっとレイプされてたでしょうね」


 地雷系女子は自嘲的な笑みを浮かべている。ああ、みんな同じような顔をする。アタシハカワイソウ。ダカラタニンヲキズツケテモユルサレル。


「あなたにはわからないでしょうね。あの時の怖さが。ママはあたしが怖い目にあったことに気づきもしない。いつもいつもあたしに色目を使う男ばかり連れてくる。あたしは自分の尊厳を守りたいから家をでるしかなかったの。あの家にあたしの居場所なんてなかったのよ」


 おーよちよちかわいそう!お小遣い上げる!とーよこばんざーい!!


「なに?なんであんた笑ってんの?」


「え?ああごめん。笑っちゃった。すまん。だって俺お前に忖度する気ないもの」


「忖度?何よそれ…!なによそれぇ!!」


 地雷系女子は激怒している。


「俺以外にもこういう話してるんでしょ。それで可哀そうだねよちよち!って慰められてる。そんでもってそういう話をする相手は気安いはずの同性の女じゃなくて憎いはずの男になんだよ!滑稽だよね!そういうメンヘラ仕草!ひゃはは!ウケるー!」


 目の前の地雷系女子はプルプルと怒りで体を震わせている。


「繊細なはずの性被害の話をお前は男を釣るために使ってる。他の男にひどいことされたの!あたしは可愛そう!だから守って!そうやってピーピー泣いて、それを聞いてちんぽをビンビンにした男が俺は他の男は違う!誠実で優しい男なんだってまるでナイト気取りでお前を守ろうとするんだよ。ああ醜い醜いどうしようもなく悍ましい。滑稽だね。全くくだらない」


「なんなの?!あんたあたしはあの時本気で傷ついた!本当に怖かった!今すぐにでも忘れたい過去なのに!聞きたがった話してあげたのに!あなたはそれを馬鹿にするの?!」


「ああ、メンヘラで男釣って動かして世の中渡っていこうとするそのダサさを心底侮蔑したい。はぁ。まずさあ。犯罪に巻き込まれたわけじゃん?レイプされかかったわけでしょ?なんでまず母親に相談しない?」


「それは…あの女が付き合ってる相手だから。大事にだってしたくないし…」


「だから忖度して黙ってた。ってならお前は母親に気をつかってるわけだ。でも本気で自分を守りたいなら摩擦なんて恐れずに罪を告発しろ。警察でも弁護士でも何でも力を貸してくれる奴らはいる。それができないならお前はただの弱虫だ。永遠に過去にさいなまれるのもやむ無しだな」


「そんな簡単じゃないのよ!すごく怖くて苦しかった!息がつまって視界が黒く狭く染まっていくような絶望感あなたにわかる?それで動けなくなって何もできなくなってこの世界が怖くてそんな気持ちがあなたにわかるの?!」


「俺はお前のことなんて最初からわかろうとなんてしてない。あとトラウマで心を病んだなら頼るのはまずは医者だ。心の病による身体症状は気持ちでは治らない。そもそも誰かに気持ちをわかってもらってもお前の心はなおりゃしないよ。他人の慰めに逃げ込む前に、自分の心を治すために戦うことをお前は選ばなかった。一番安易な道を選んだ。リスペクトなんて出来やしない。お前らメンヘラは一にも二にも理解理解他者からの理解!そんなものよりまともな治療を受けろ!この馬鹿が!」


「またあたしを馬鹿にしたのね!いい加減にしてよ!そんな説教してあんた何が楽しいのよ!」


「別に楽しくないよ。むしろこれは八つ当たりだよ。お前がメンヘラしてるから、俺はイトハさんとセックスできなかった。俺の楽しい時間をお前は奪った。お前は俺にとって加害者だ!そいつを攻撃して何が悪い!」


「それは…そんなの…あたしは…そんなつもりじゃなくて…やめて」


「はぁ?やめて?なに?お前は俺から楽しみを奪ったのに?奪ったよね?」


「もうやめてよ!…やめて…苦しいよ…」


「俺はイトハさんからお前のパパやれって仰せつかったのよ。じゃあさ。パパやめてほしかったらどうすればいいかわかる?」


 地雷女子は唇をプルプルと震わせている。そして財布からイトハから巻き上げた五万円を取り出して俺に渡してきた。


「これでいいでしょ…お金は渡すからもうやめて」


「はぁ?それ俺の金じゃないんですけど?何俺を金で黙らせたいってこと?舐められてる?」


「だってそういうことじゃないの?!」


「それは俺の金じゃないから受け取る気はない。でも俺にパパはやめさせたい。考えろよ。どうすればパパ活は破綻するんだ?どうやったら俺をパパじゃなくできる?ヒント欲しい?」


「…ううっ…だってパパ活なんてお金貰うだけで…一緒にいればそれだけで楽しい楽しいってみんな言ってて…」


「お前と一緒にいても全然楽しくない」


 俺は地雷女子の耳元でそう囁く。すると涙目で地雷女子は俺にまるで縋るように言った。


「ねぇ教えて。痛いの嫌なの。教えてよぅ。どうすればいいの?あたしはあなたに何をしてあげればいいの?」


「そうだよ!そうそう!うんうん。相手に何かをしてあげる・・・・・!そういう心が大事だよね。受け身じゃなくて俺を楽しませる!それが答えだ!」


 そう言って俺はメニュー表をちらりと地雷女子に差し出す。


「ほら見てよ。俺さぁ今日はぱぁっと飲みたい気分。でもせっかくだからラグジュアリーにキメたいし、なによりさ。俺だけじゃなくてお前にも楽しんで欲しいわけよ」


「え?あたしも?あたしも楽しんでいいの?」


「俺だけ楽しくてもそれだけじゃダメだ。せっかく二人でいるんだ。二人で楽しくなろうよ。せっかくだしそのお金もぱあっと使ってさ。しもうよ」


 そして地雷女子は俺からメニュー表を受け取って、じーっとそれを見詰める。時たま俺の方を伺うように見て、そして。


「すみませんマスターさん!この5万円のドンペリください!」


「え?は、はい!かしこまりました!」


 そして店のマスターが銀色の氷がいっぱい入った皿に入ったドンペリの瓶を持ってくる。そしてその場で地雷女子から五万円を徴収していった。


「わー!すごい!綺麗だね!見てよ!ほら!あはは!」


 俺はドンペリの瓶を持ち上げて地雷女子の見せつける。


「ええ。なんかすごく豪華で綺麗ね」


「俺さ実はドンペリ飲むの初めてなんだ」


「そうなの?あたしも飲んだことない」


「じゃあ一緒に開けない?」


「え?いいの?」


「勿論だよ」


 俺は地雷女子の手を取ってドンペリの瓶に添えさせるそしてその上から手を重ねる。地雷女子は少し恥ずかしそうに頬を赤く染めた。そしてポンと音がしてコルクは飛んでいった。俺がグラスを掲げると、地雷女子は俺のグラスにドンペリを入れてくれた。


「自分のにも入れなよ。乾杯しよう」


「うん!」


 そして俺たちは乾杯してグラスの中の酒を飲み干す。


「ああ、すごく美味しいわ」


「だね!まじで美味しい!」


 俺たちは夢見心地でドンペリの美味さに酔っていったのだった。






 ドンペリ美味かったなぁ。だけど俺の八つ当たりやべぇな。どんだけイトハさんとのセックス楽しみにしてたんだよってレベル。


「ねぇ何考えてたの?すごく遠い目してたよ?」


 どこか俺を慈しむように地雷女子は俺の頬を撫でる。今俺たちは風呂に一緒に浸かっている。


「うん。大したことじゃないよ。あのドンペリは美味しかったなって思っただけ」


「そうね。あのドンペリは本当に美味しかったわね。でも…」


 地雷女子は顔を曇らせる。


「ごめんね。あなたにあの事を思い出させちゃったよね?」


「いやいいよ。あれは言ったけど。もう区切りはついてるからさ」


「それでもあたしはあなたを傷つけちゃったもの…」


 リルハは立ち上がって風呂から出る。そして両手を広げて言った。


「ねぇ。どんな気持ちでもいいよ。怒ったんならそれをぶつけてよ。悲しいならいっぱい撫でさせて。ねえあたしを使っていっぱいあなたの心を慰めてよ」


 俺も風呂から出る。そしてそのままシャワールームのガラスの壁にリルハの体を押しつけて俺は彼女と繋がる。激しく激しく彼女に思いをぶつけた。そして思い出す。彼女を抱こうと決めたわけを。







 ほろ酔い状態になって俺たちは色々と普通の話題で盛り上がっていた。リルハはヴァイオリンをやっていたそうで、音楽の話は盛り上がった。でもある時ふっと話が逸れてしまった。


「あたしのヴァイオリンはママから習ったものだけど、あなたも楽器はママから習ったの?」


「…あ、ああ。母さんはギターをやってた。シンガーソングライターってやつだね。まあ売れてるとはいえなかったけど」


「へぇ。そうなの素敵ね」


「だから母さんに合わせるためにベースを選んだんだ。うん。母さんのために選んだんだよ…あはは…」


 少し悪い酔いしたのか、気持ち悪さを感じていた。そうこれは酒の酔いのせいだ。それ以外の理由なんてない。


「そうなの。お母さん好きだったのね。あたしもそういう時代があったのかな…」


 俺は息を深く吸い込む。心臓がバクバクと嫌な音を立てていた。


「え?どうしたの?なんで泣いてるの?」


「え?あ…やば。零れちゃった…あはは…飲み過ぎたみたいだな…」


 俺は涙を袖で拭う。それを地雷女子は心配そうに見つめている。


「もしかしてあなたもお母さんと上手くいってなかったりする?」


「い、いや。そんなんじゃないよ」


「じゃあどうして泣くの?さっきあなたはあたしを責めたでしょ。なら話してくれてもいいんじゃないの?」


「ちょっと本当に話したくないないんだけど」


「さっきのお返しよ。聞かせてよあなたのお母さんのこと」


 多少はさっきの鬱憤を晴らしたいのだろう。きっと地雷女子は俺と母が上手くいっていなかったら、俺にシンパシーでも覚えるか仲間か何かだと思うようになるのかもしれない。違うよ。全然違う。だってもう俺はやり直しがきかないから。


「…母さんは。俺の母さんはもういない」


「え?あ。ごめんなさい。もう亡くなってたの。それは聞いてしまってごめんなさい」


「いや別にいいよ。よくあることだよ。自殺なんて」


 それを聞いた瞬間地雷女子は両手で口を押えた。目を見開いてひどく動揺し驚いているようだ。


「え?うそ?そんな。自殺?…嘘…」


 俺は何も答えない。久しぶりに母の自殺のことを思い出して、あの時のフラッシュバックが脳内で暴れてたから。胸が痛くなった。俺はシャツの上から胸を押さえつける。地雷女子は俺の背中をさする。


「ごめんなさい!ほんとうにごめんなさい!無理にきいちゃって」


「いやいいよ。ううっ…なんで…母さん…」


 母さんは俺の目の前で首を吊って死んだ。俺はまだ中学生だった。柔らかさを頭に感じた。だけどあの時の母の顔の…その…恐ろしさは…。


「消えてくれないんだ…」


 地雷女子は俺の頭を胸に抱き寄せていた。


「何にも言わずに目の前で首を吊って」


「いいの!あなたは悪くないよ!ごめんなさい!ごめんねぇ」


「わかんないんだ母さんの気持ちが全然わかんないよぅわかんないんだよう」


「ごめんねぇ。ああ。あなたはわかってたんだね。あたしの気持ちわかっててあたしが間違ってるからそれを正そうとしてくれたのね」


「ねぇ。なんでなんだろう。俺はただお母さんに褒めてほしかっただけなのに…」


「いいの。もういいの。怖がらないでそばにいるよ。あたしそばにいるからぁ!」


「歌上手だねって言ってくれたのに…。なんでぇ…」


 俺は顔を上げる。リルハは泣いていた。俺も泣いていた。寂しい。二人とも寂しい。俺たちは見つめ合って、だから求め合ってしまって、唇は優しく重なった。そして俺たちはお互いに何も言わずに店を後にした。そしてただ互いの寂しさを埋められる場所を探して辿り着いて。お互いの体を激しく求め合ったんだ。









 俺たちは一日中ずっとホテルでお互いを求め合って寂しさをぶつけ合って。それで多少は慰められたのかもしれない。そして次の日の夜にホテルから出た。


「あ、うんママ。お話したいの。明日。ゆっくりと話しましょう。うん。じゃあまた明日」


 俺の腕に絡まりながらリルハはイトハさんと電話で話した。ちゃんとこれで和解に向けて話し合えるならいいのだけど。そして俺たちは人々が慌ただしく行きかう池袋の地下街を歩いていた。俺は夕飯でも食べようと思って歩いていたのだ。だけどリルハは俺から腕を離した。


「どうしたの?なんで手を離すのさ」


「ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


 リルハはボロボロと泣きながら俺にひたすら謝り続けていた。


「なに謝ってるんだよ。俺は別になにも怒ってないよ」


「ううん。あたしは…あなたに抱かれて愉しくて気持ちよくて救われた…でも自分の今までの薄汚さが許せないよ…あなたの傷を知ってしまったのに…あなたの愛に溺れてあなたの傷に触れたから救われて。ジブンだけが助かっておこがましいのぉ。それなのにまだナギへの依存を断ち切れないのぉ…ほんとバカみたい。許せないよ自分が許せないのぉ。あなたと一緒に傷ついたままがよかったよぅ。あたしだけ快楽に溺れてるだけの…厭らしい女だった…そんな自分をもう見せれられないの。さようなら…!」


 ナギって誰かな?でもどうでもいいか。そしてリルハは人ごみの中へと駆けて行った。あっという間にひとの群れに流されて何処にいるのかわからなくなった。


「…また。フラれたのか俺。なんだ。またひとりぼっちか…」


 俺は誰もいない部屋に帰るために歩き出した。隣に誰もいなくても。


---作者のひとり言---

モラハラによるガチ詰めからの高級ブランド酒を奢らせて、最後にメンヘラ泣き落とし?

何こいつ…ヤバぁ…ラブコメの主人公しちゃいけない男だよ…。


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これからもどうぞよろしくです。


次回『俺が先にセックスしたのに-OSS-』


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