#彦根#
秋ごろだ。私は友人と2人で滋賀の彦根に旅行に行く事になった。
佐和山トンネルの近くの古いビジネスホテルに三泊四日泊まる事にした。ホテル代を抑えて、ご飯などは全力で楽しもうという計画から、そのホテルにした。
そのホテルでは、猫が飼われていてとても懐っこい可愛らしい子がお出迎えしてくれた。
台湾人の優しいオーナーさんがお部屋を案内してくれて、私達は早々にここに決めて良かったと思っていた。
207号室が私達の部屋だ。
ツインなのでベッドが二つある、古臭いが綺麗に掃除された部屋だった。
私は右側のベッド、友達は左側のベッドに寝る事にした。
荷物を置いてから、彦根城を散策しに行ったりとなかなかに充実した1日だった。
夜になり、もう寝ようとしていた時だ。
金縛りにあった。それもかなり良くない金縛りだ。私はよく金縛りに合うのだが、良い時は軽くてそのまま寝れる。
だが悪い時はみえてしまう。
『目を開けたくない、でもなにがいるのかみたい、でも怖い!!!!』そんな事を思っていると、気づいたら眠っていた。
それが毎夜あった。
最終日の夜だ。
また金縛りに合ったのだが、なんだかおかしい。左足を引っ張られている。
『やめて、やめて、やめて』そう思っていると、少し目が開いた。友達の寝ている左のベッドの下の隙間から、髪の長い人が私の左足を引っ張っているように見えた。
『助けて、助けて』友達を見てもぐっすり眠っていた。
ドスン、と私がベッドから落ち、ベッドとベッドの隙間に落ちた。友達はまだ寝ていた。
そして落ちたにも関わらず、私は金縛りが解けていなかった。
いまだに左足が左のベッドの下の隙間に引っ張られ、ついに左足だけ隙間に入ってしまった。
小さな隙間に無理やり引っ張られているため、とても痛く涙が出てしまった時、ふっと金縛りが解けた。
急いで自分のベッドに上がり、カタカタ震えながら朝日を待った。
友達が起き、事情を説明すると、ベッドの下を見てくれた。
ベッドと床の間には隙間はなかった。
だが、私の足は赤くみみず腫れができていた。
これが、彦根旅行の思い出だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます