第15話

私の身体を探ったり試したりするように先輩にいろんな体位でいろんな事をされる。


中学時代に憧れていた先輩。

ファーストキスの相手の先輩。

その先輩と私はセックスをしている。


先輩はキスもセックスもすごく上手。

すっごく気持ち良いけどすっごくむなしい。


先輩との関係はこれでもう終わってしまう。


先輩はいつまでも私の憧れの先輩のままでいてほしかった。

見ているだけの恋でじゅうぶんだったのかもしれない。


先輩とこんな所に来てこんな事をしてこんな気持ちになって。



なにこれ。



先輩といやらしく絡み合って腰を振って喘いでいる私。



なにこれ。


もうやだ。


泣きそう。




――――




「あー気持ち良かったー…」



私の横で大の字になっている先輩。



色んな感情が入り交じって溢れ出した私の目から涙がボロっとこぼれ落ちたその瞬間を先輩に見られてしまった。



「どした?大丈夫か?」



「…大丈夫です。気持ちよくて…」



そう言って誤魔化すしかなかった。


すると先輩は安心したような顔をしてキスをしてきた。



「俺も。すっげー気持ち良かった」



「……」



『ヤッたからおまえとはもうこれで終わり』



私にはそう聞こえた。

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