第12話
バスルーム。
「はぁー…」
情けなくこぼれた小さなため息は、思ったよりよく響いた。
あまりにも急すぎる展開にどうしたらいいのかが全然わからない。
とりあえず落ち着け。落ち着け、私。
ちゃぽん。ちゃぽん。
あーでも気持ちいい…
ホテルのお風呂って広いし綺麗だしゴージャスな気分になる。
と思っていたら、ドスドスとこちらに近付いてくる足音が聞こえ、バスルームのドアの向こうに影が見えた。
「え」
バスルームのドアが勢いよく開き、先輩が入ってきた。
「おい。なに自分んちみたいに普通に風呂入ってんだよ」
先輩はちょっと怒ってる。
でももうすでに先輩のは……で思わず笑ってしまった。
「ちょっと先輩~」
私はわざとらしく手で目を隠し少し開いた指の隙間から先輩を覗いてみた。
「俺のコレどーしてくれんだよ!?」
「そんなの知りませんよ!あはははは!」
「ふざけんなよオイ」
先輩が湯船に飛び込んできた。
「きゃーッ!!」
「あー気持ちいい」
先輩はバスルームの照明を落とした。
もうひとつのボタンを押すと、湯船が妖しく光りだした。
「この方がよくね?エロくて」
そう言って先輩は私を抱え込んでキスをしてきた。
「ん」
先輩は泡だらけの私の身体をいやらしく撫でまわしながらキスをする。
湯船だけが妖しく光る薄暗いバスルームにリップ音が響き渡る。
「このホクロすげーエロい」
そう言って先輩は私の左胸にある小さなホクロに舌を這わせた。
湯船の中で私の身体を持ち上げ密着させてくる先輩。
ヤバい…こんなの…たまらない…。
私は先輩の顔に両手を添えてキスをする。
「…先輩」
「んー?」
「…ベッド行きましょう」
「…なんなんだよ」
先輩のイラついてる顔はやっぱりかっこよかった。
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