第9話
それから。
先輩から頻繁に連絡が来て会うようになった。
勿論、先輩の目的は私じゃなくてギャル。
私はありとあらゆる手を使って先輩好みのギャルを探しまくって厳選したギャルたちを紹介してあげた。先輩のために合コンも何回も何回もセッティングした。
でも、私が紹介したギャルたちは先輩になかなか気に入ってもらえなかった。
ある日。
作戦会議という名目で先輩とご飯を食べに行く事になった。
「ちょっと先輩…何が気に入らないんですか!?○○ちゃんなんてちょーギャルでちょー可愛いかったじゃないですか!」
「なんか違うんだよなー」
「えー先輩ワガママすぎません?」
「てかおまえこないだの飲み会、ホンダってやつと消えたよな!?」
「え?覚えてません」
「コラ」
「ごめんなさい先輩。もう無理です。もういません」
…ダメだ。そしたら私は用無しになってしまう。
「あ、先輩。今度は私にも誰か紹介して下さいよ。今までいっぱいギャル紹介してあげたんですから」
そうすればまだこれからも少しは先輩と繋がっていられるかもしれないと思った。
「どんなのがいいの?」
「先輩みたいなのがいいです」
「ふーん」
…流されてしまった。
やっぱり私はダメなのか…残念。
「先輩みたいな素敵な人いたら紹介してくださいね!お願いしまーす」
「かわいいギャル紹介してくれたらな!そしたら誰か紹介してやんよ」
「ヤッター!がんばります」
食事を終え、先輩の車で送ってもらう。
「ごちそうさまでした!おいしかったですありがとうございます先輩」
「いえいえ」
「……」
先輩の運転する車が家とは違う方向に走っている事に気が付いた。
「どこ行くんですか?」
「……」
先輩の方を見ても真っ直ぐ前を向いたまま。運転中だから当たり前か。
集中しているから聞こえていないのか考え事か。
もしかしたらこの後オシャレなお店に連れてってくれたりするとか?なんて思っていたら。
「…なあ」
「はい」
「ホテル行かね?」
「え?」
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