第12話 スキル検証



空間ポケット

ひとつだけものを収納できる 

1日1回ポケットに収納したものを修復できる



説明が簡潔すぎるんだよね。

曖昧すぎて何が出来るのか、よく分からない。


なので、いろいろ試すことにした。




孤児院から少し離れた荒野に移動した。

ここで検証してみよう。


なんでもいいから収納してみるか。


その辺を見ながら「ポケット」と念じてみるが何も起こらない。


ゴブリンは念じたら空間ポケットに入ったけど なんでだ?


今度は石に手を当てて「ポケット」と念じてみると触れたものが空間ポケットに入った。


おお 石が消えた。

感動!

イメージしてたのと ちょっと違う。

石が吸い込まれるように入った。


そういえばゴブリンにも手を当ててたっけ。


石をポケットから出して

土に手を当ててポケットと念じてみると、土が少しポケットに入った。


「広野の土 ランクF」


土にもランクがあるのか。

Fランク?

等級がわからない。


とりあえず土をポケットから出して、広い範囲の土をポケットと念じてみると、3メートル正方形の範囲の地上20センチくらいの土がポケットに入った。


この範囲の土が、ひとつと見なされたのかな。




出してみると



ズシャ ズシャ



盛り土のように山になってしまった。

これはならして平らにしないといけない。


もう一度、別のところの土を空間ポケットに収納すると、同様の範囲を収納できた。


どうやら「ひとつだけ収納」というのは「ひとつと判定できる物を収納」という意味らしい。



そしてポケットに入った状態で他のものを入れようとしても入らない。


ポケットは1つだけ入れられる空間収納みたいだ。




大きな岩を空間ポケットに入れてみた。


「大岩 荒野の岩」


土にはランクがあったけど岩にはない。



今度は出してみよう。




ポケットと念じると


ドスン!



これいいね。




今度は小さな岩をポケットに入れて 出してみる。


ドン!


小岩がでてきた。




岩で魔物を押し潰せば戦えそうだ。


あっ、でも、ひとつしか収納出来ない。

複数の魔物を相手にしたら無理だ。


やはり、戦うことは考えないほうがよさそうだ。



せっかく他の国に逃げてこれたんだ。


のんびり生きていこう。


俺は戦いとは無縁だ。



そのときは、そう思っていた。




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