第8話 ギルド証を作りに
俺を介抱してくれたシスター風の女性の名前はイーフさん。
イーフさんは孤児院で子どもたちを育てている。
20代半ばくらいだろうか、杖を持ち修道服を着ている美人な女性だ。
「これをお使いください」
イーフさんは俺に硬貨を差し出した。
「これは?」
「町に入る通行料銅貨10枚と、ギルド証を作る費用銅貨50枚です」
身分証がない者は、町に入るときに通行料が必要で、ギルド証を作るときもお金がかかるとのこと。
「でも、出していただくわけには・・・」
「いいのです。使ってください」
イーフさんは俺の手に銅貨60枚を乗せた。
「ありがとうございます。町にいって冒険者登録してきます」
ありがたくお金を借りることにした。
イーフさんから登録費用を受け取り冒険者ギルドへ向かった。
・・・・・・・・
孤児院を出て町に向かう。
初めて孤児院の外に出たので、外側から孤児院を見るのは始めてだ。
ボロボロの建物で外壁はところどころ崩れている。
廃墟になった建物を孤児院として使っているのかな。
おっと、町に向かおう。
身分証を作らないと。
町は孤児院から少し離れていた。
町は防壁の中にあるが孤児院は、町の外側だ。
もちろん孤児院のまわりにも防壁があって囲いはしてある。
しかし、
町の外なので、何かあったら助けに来てくれるのだろうかと思ってしまう。
ストファ町の入り口まで行くと兵士に止められた。
「身分証を出して」
「持ってないのでギルドで作りにきました」
「そうか、通行料は持っているか」
「はい。あります」
銅貨10枚を門番に渡した。
「よし、通っていいぞ。ギルドで冒険者証を作ったらすぐに見せにくるように。町で悪さをしたら牢屋に入れるからな」
門番の兵士は厳しい口調で言う。
「わかりました。すぐに見せにきます」
身分の分からないやつは警戒されるのは仕方ないか。
冒険者ギルドを探して、入り口に着いた。
剣と盾の看板がある建物だ。
中に入ると、左側が酒場のようになっており、ヨロイを来た男たちが昼間から酒を飲んでいる。
机には剣や槍などを立て掛けてある。
右側は受付カウンターになっており、女性が座っていた。
「すいません。冒険者登録したいのですが」
「新人の方ですね。わかりました。こちらに記入をお願いします」
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