第3話 強さ・スキル判定
二人で話しながら兵長についていくと大きな水晶球がある部屋に案内された。
「ここで鑑定を受けてもらいたい。どのようなスキルを持っているか分かるはずだ。勇者どのだ。すばらしいスキルを持ってることは間違いない」
兵長が期待を込めて言う。
水晶球がある部屋に行くと鑑定士が待っていた。
「わたくしがお二人の鑑定をさせていただきます。まずは水晶に手を触れてください」
「僕からやりますね」
ハジメくんが水晶に手を触れた。
ピカーン!
水晶が輝くほどの光を放った。
「これはすばらしいスキルです!Lv1なのにステータスも高いです!」
鑑定士がステータスを紙に書いて感嘆する。
一田一 イチダハジメ
Lv1
強さ50
魔力50
スキル
収納魔法
封印(一定時間 相手の全攻撃スキルと全魔法を封印)
異世界言語
すごいスキルだ。
ハジメくんの言った通りだ。
<常人を越えたステータスか、すごいチートスキルを持って呼び出される>
ステータスも鑑定士がいうのだから高い数値なのだろう。
スキルもステータスも両方すごいなんて、これは間違いなく勇者だ。
そうなると、俺も期待できるかな。
「では そちらの勇者さま 水晶に手を触れてください」
今度は俺が水晶に手を触れた。
水晶が・・・ちょっと光った。
大場三太郎 オオバサンタロウ
Lv1
強さ1
魔力0
スキル
$%&
異世界言語
「え? 強さ1?・・・ですか?しかも、文字化けスキル?」
鑑定士がステータスを紙に書いて、違う意味で感嘆する。
俺は弱かった。
そういえば、本来勇者は1人しか召喚出来ないと言っていた。
ということは はじめくんが呼び出された勇者ということだ。
俺は巻き込まれただけか・・・。
魔力0ということは巻き込まれただけのような気がする。
地球に魔力はないからね。
それに
思い返すと足元が光ったときハジメくんを中心に光っていたような気がする。
ショックで落ち込んでいると・・・
「大丈夫てすよ。レベルが上がれば文字化けは見えるようになるはずですから。それまで僕が守りますから」
ハジメくんは俺を勇気付けてくれた。
ハジメくんはいいやつだ。
こんな三十路のイケメンおっさん(自称)を守ると言ってくれるなんて。
よし!守ってもらおう!
遠慮なく!しっかり!全力で守ってもらおう!
絶望的な鑑定が終わり、別々の部屋に案内された。
「お疲れさまでした。今日はゆっくりと休んでください。それではまた明日」
ふう、疲れた。
はじめくんがいれば王様に掛け合って、俺を無碍にしないように話してくれるだろう。
異世界物の物語には追放系があるが、実際のところ間違って召喚したからといって そんなに簡単に追い出したりしないと思う。
特に強い勇者が守ると言っている相手なら なおさら大事にしてくれるはず。
そのときの俺は、そう思っていた。
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