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生理だからイライラしてるんじゃない。生理だからできないんじゃない。てゆーか生理じゃないし。
今日で付き合って3年なのに…なんかないわけ!?
私はイベントとか記念日とかどちらかというとどうでもいい派だけど、なんか今日はあるんじゃないかって気がして…。
そんなの期待してた私が馬鹿だった。
「あーあ。つまんね」
彼の一言に何かが弾けた。
「つまんないってなに!やる事しか考えてないわけ?私はやるためだけに呼ばれてるの?やるだけなら私じゃなくてもいいじゃん!」
「はあ?」
「はあ?じゃないわよ!会えばすぐやりたがるしいつも靴下脱ぎっぱなしだしテーブルにゴミ置きっぱなしだし連絡もいつも適当だしゲームばっかしてるし!」
「…なんだそれ」
「欲しいモノ聞くだけ聞いて買ってくれないし忙しいとかってどこにも連れてってくれないし!今日だってなんでこんなに遅いの?他に女いるんでしょ?浮気してんでしょ?バレなきゃいいと思って!もう私の事なんかどーでもいいんでしょ?私ってアンタの何?呼べばいつでもやれる家政婦!?」
…言い過ぎた。
思ってもないと言えば嘘になる。
言うまいと我慢していた言葉がボロボロ出てきてしまった。
こんな事言うつもりなかったのに。
「…なに勝手な事言って勝手にキレてんだよ」
「今日だって…」
付き合って3年なのに、と言いそうになって慌てて口を閉じた。
「…なんだよ」
私はそんなタイプの女ではない。
それはたぶん彼もわかっている。
そんな事言ったらウザがられるだけだし、何よりもそんな事を押し付ける自分が最高にウザかった。
「…ムカつく。もういい」
「よくないくせにもういいとか言ってんじゃねーよ」
彼の言葉はもっともで。
なにがもういいよ。
勝手に我慢して勝手に爆発して。感情のままに口走った自分が情けなくて。
なにもよくない。
もうどうしたらいいかわからない。
確かに付き合いはじめのラブラブ感はない。
嫌いになったわけじゃない、別れたいとかじゃない。
だけど今日はなんかただただイライラする。
でも今この勢いで「別れよう」なんて言ったら絶対に終わる。
それだけは嫌だった。
彼に「あーはいはいわかった。もういい。別れよう」って言われそうで。
それだけは言われたくなくて。
私は逃げるように彼の部屋から飛び出してしまった。
行くところなんかないのに。
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